2019年7月8日、GMOクリック証券がメキシコペソ円の取り扱いを開始した。
これによって競争が激化し、メキシコペソの取引条件もどんどん良く…と思ったのだが、スプレッドは狭いものの残念ながらスワップポイントはそれほど高くない。
しかし、『スプレッドは狭く、マイナススワップが小さい』というポジションは今でになかった条件。
そう、これによってメキシコペソのスワップサヤ取りが現実的になってきた。
この記事で詳しく解説していきたい。
GMOクリック証券のメキシコペソ取扱い条件のおさらい
げんそk
- スプレッド:0.3銭(原則固定)※
- スワップポイント:11円/1万通貨(2019年7月8-12日平均実績)
- 取引単位:10万通貨単位
※7月8日取扱い開始時点では0.4銭だったが、7月15日より0.3銭に縮小。
スプレッドは0.3銭(原則固定)で業界最狭タイ
当初0.4銭でのスタートだったが、それと当時にセントラル短資FXがスプレッドを0.4銭 → 0.3銭に縮小したことを受けてか7月15日よりスプレッドを0.3銭(原則固定)に縮小。
これにより、メキシコペソ円のスプレッドは業界最狭タイとなり文句なし。
なお、これと同時にトルコリラ円のスプレッドも1.9銭 → 1.7銭(原則固定)に縮小している。
スワップポイントは11円/1万通貨とちょっと残念
スワップ派にとって肝心要のスワップポイントは…というと、取扱い開始1週間の平均実績が11円/1万通貨。
セントラル短資FX・みんなのFX(LIGHT FX)が16円近いスワップポイントを提供する中、この金額は正直厳しい。
というかスワップ運用(バイアンドホールド)をする上でGMOクリック証券を使う選択は『ない』と言ってもいいだろう。
取引単位も10万通貨単位と大きい
最小取引単位は10万通貨。
つまり
- レバレッジ2倍で運用するなら約30万円から
- レバレッジ3倍で運用するなら約20万円から
ということになり、少額投資には向かない。
純粋なスペックではセントラル短資FXが依然優位
改めて、主要なFX会社のメキシコペソ円の取り扱い条件を簡単にまとめると以下の通り。
GMOクリック証券 | セントラル短資FX | みんなのFX(LIGHT FX) | |
---|---|---|---|
最小取引単位 | 10万通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
スプレッド | 0.3銭 | 0.3銭 | 1.8銭 |
スワップポイント | 11.00円 | 16.43円 | 16.00円 |
※GMOクリック証券のスプレッドは原則固定
GMOクリック証券が優れているのはスプレッドくらいで、それも同率一位。
ずばり、セントラル短資FXが圧倒的に優位であると言っていいだろう。
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本題:メキシコペソスワップサヤ取り試算
さて、この記事の本題はここからだ。
単純なスワップ運用ではイマイチと言わざるを得ないGMOクリック証券だが、重要なのは『マイナススワップの安さ』だ。
同社の買いスワップポイントは11円/1万通貨で、売りスワップポイントも同値の-11円/1万通貨と安い。
これによりセントラル短資FXとのサヤ取りが現実的になってくるので、どのくらいのパフォーマンスを発揮するか計算してみよう。
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10万通貨=1ロットとして計算
GMOクリック証券の取引単位が10万通貨単位なのでこれを1ロット(売買各10万通貨)として計算する。
過去2年の値動きから、目先での変動は±0.5円を基準に考える。
そうすると口座に用意すべき資金は約75,000円、両口座合わせて15万円で1口運用できることになる。
スワップポイントの差額は5円/1万通貨
- 買い口座:セントラル短資FXのスワップポイントが+16円
- 売り口座:GMOクリック証券のスワップポイントが-11円
として計算すると、10万通貨なので1日50円。
年間18,250円のスワップポイントが得られる計算になる。
年間1回のポジション調整コストが発生すると仮定
スワップサヤ取りにおいて、レートが上下どちらかに動いた場合には一度ポジションを整理して資金を調整する必要がある。
その際、スプレッド分がコストとして発生する。
10万通貨 × 0.3銭 × 2口座 = 600円。
これが利益から差し引かれるものとして計算しよう。
期待される収益は11.77%!
- 投資額:15万円
- 得られるスワップポイント差額:18,250円 / 年
- ポジション調整コスト:600円 / 年
よって、15万円の投資で年間17,650円が得られる計算となり、その収益率は年間11.77%となる。
これは、はっきり言って凄い。
2019年7月現在のサヤ取り利益としては最も大きい部類である。
スワップポイント差 × 値動きの安定 × スプレッドの安さ(ポジション管理コストの低さ)によって実現する数値だ。
余談:トルコリラのスワップも変化
この記事の本題とは逸れるが、メキシコペソのと取り扱いと前後してトルコリラ円のスワップポイントにも変化が生じている。
具体的に言うと、買いのスワップポイントも売りのマイナススワップも大きくなっている。
よって、トルコリラのサヤ取り売り口座としての使い道は微妙になってしまった。
2019年7月現在、トルコリラのサヤ取りは
- 買い口座:サクソバンク証券
- 売り口座:セントラル短資FX
が最もスワップ差が大きい。
口座の使い分けという意味では、セントラル短資FXをどう使うかが悩ましいポイントになってくる。
トルコリラ・メキシコペソの両方でサヤ取り…というのは少し資金管理が難しいので、どちらか一方の方がいいだろう。
まとめ
- GMOクリック証券がメキシコペソ円の取り扱いを開始
- スプレッドは0.3銭原則固定と非常に狭いが、取引単位は10万通貨・スワップポイントは微妙
- マイナススワップも小さいので、メキシコペソ円スワップサヤ取りで10%超の収益が期待される!
フラッシュクラッシュの危険はあるが、それでも為替リスクを抑えたサヤ取りで年間10%超の利益が期待できるのは大きい。
トルコリラサヤ取りから乗り換える価値アリである。
買い口座はセントラル短資FXの『FXダイレクトプラス』
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売り口座はGMOクリック証券
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