スワップポイントの基礎知識

金融庁、FXのレバレッジ上限を10倍程度まで引き下げ検討。トルコリラはどうなる?

ドル円が113円を突破する中、結構なインパクトのニュースが飛び込んできた。

FXのレバレッジが最大25倍から、10倍程度まで引き下げる方向で検討されているとのこと。

FX業界全体に大きな衝撃を与えるこの方針。トルコリラ的にはどうなのか、という目線で考えて行きたい。

2018年6月追記:レバレッジ規制について、見送りとの報道が行われている。本記事は掲載当時(2017年9月)の情報に基づくものとしてご認識頂きたい。

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早ければ来年!?

FX証拠金倍率を引き下げ 10倍程度に、金融庁検討 リスク管理を懸念、最大25倍の規制見直し -日本経済新聞 2017年9月27日

金融庁は外国為替証拠金取引(FX)の証拠金倍率(レバレッジ)を引き下げる検討に入った。現行の最大25倍から10倍程度に下げる案が有力だ。外国為替相場が急変動した際、個人投資家や金融機関が想定を超える損失を抱えるリスクが高まっていると判断した。国内の取引高は約5千兆円に上る一方、FX業者への規制は銀行などに比べ緩い面がある。規制見直しで日本発の市場混乱を防ぐ。

金融庁はFXの業界団体、金融先物取引業協会と規制見直しに向け協議を始めた。早ければ来年にも内閣府令を改正して実施する可能性がある。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21595840X20C17A9I00000/

無料会員でも読めるとは言え要ログインなので、全文引用は自粛。

この後の文を見ると、つまるところ1日の最大変動幅が主要10通貨ペアで10%程度であり、元本以上の損失が出ることを防ぐ、ということらしい。

個人的には当然反対なので、反論的なことを申し上げると要はロスカット発動するか否かの話であって、1日の変動幅を元に語るのは不毛ではないかと。

強制決済すら約定しないような急変時には効果があるのか、ナントカショック級の話になったら4%だろうが10%だろうが元本超の損失は出るのでは、という。

まあ勿論ダメージは減るんだろうけど・・・

何はともあれ、この案がお蔵入りすることを祈る。

 

参考:FXレバレッジ規制の推移

~2010年8月:規制なし
2010年8月~:最大50倍
2011年8月~:最大25倍

僕は2015年からの新参なので25倍の時代しか経験していないが、かつては100倍、200倍、400倍という時代があった訳で。

50倍規制、25倍規制当時の記事を探してみるとやはり取引数量の減少など少なからず影響はあったようだ。

とはいえ、長期的にはFX人口は増えており、ご存知の通り業界が滅亡した訳でもない。今回の10倍規制も、FX終了のお知らせみたいなレベルではないだろう。

スキャルパー減少などスタイルの変化は起きるだろうけど。

 

ロスカットラインの変化

この影響、トルコリラにとっては取引できる数量が減るというよりは、必要証拠金が膨れることによってロスカットラインが引き上げられることが問題となる。

※以下、トルコリラ=32円の時にポジションを建てたものとする。

 

例えば、100万円で10万通貨取引の場合

現在の最大レバレッジ25倍の場合、トルコリラ10万通貨の必要証拠金は128,000円。

資金が100万円であれば、872,000円の余力がある。つまり、この分は下落してもOK。レートの低下による証拠金の変化も含めて考えると、9.08円の下落まで耐えられる。

これがレバレッジ10倍となると、余力が680,000円となり、許容できる下落は7.55円

つまり、最大レバレッジの引き下げによってロスカットレートが約1.5円引き上げられる。

 

例えば、100万円で15万通貨保有の場合

同様に15万通貨保有の場合、現行のレバレッジ25倍では5.61円の下落まで耐えられる。

これがレバレッジ10倍となると、許容できる下落は3.85円

つまり、最大レバレッジの引き下げによってロスカットレートが約1.8円引き上げられる。

 

並べてみると

上記は32円でトルコリラを買建した際の、ロスカット発動レートの変化。

どうだろう、あくまで個人的な感想なのだが、100万円あたり10万通貨、つまりレバレッジ3倍程度で保有している人にとってはまあ許容できる範囲ではないだろうか。

勿論、これよりもレバレッジが低い人にとっては、より影響は小さいものとなる。

反面、ちょっと多めの100万円あたり15万通貨、つまりレバレッジ5倍程度の人にとってはちょっと無視できない域になってくるのでは。

 

言い換えれば必要資金の増加、資金効率の悪化

さて、上記を言い換えると、今までと同じ水準での運用をする為には今まで以上の証拠金が必要ということになる。

レバレッジ3倍を想定すると、約15%の必要資金増。資金効率にして約13%の低下

今までが年率30%だったら、それが約26%になる。スワップポイント90円だったのが、78円相当になる。面白くはないね。

 

まとめ

最大レバレッジ10倍になったらトルコリラ終了、なんてことはない。一先ず安心。

ただし、元がハイレバの人にとっては少し痛手、枚数を減らすなど対策が必要かもしれない。

低レバの人にとっても、資金効率の低下は決して面白くはない。

あとはこれが杞憂に終わることを祈るばかり。

 

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