トルコリラ・南アフリカランドなどの高金利通貨を運用していく上では、極力高いスワップポイントを提供するFX会社での運用をしていきたいもの。
しかし、年単位で運用していくと、どうしてもFX会社のスワップポイントというのは変動してしまう。
一時的なものであれば耐えるのだが、あまりに低迷が長期化するとFX会社の乗り換えも頭をよぎる・・・。
スワップポイントだけでなく、発注方法や、取引単位などの事情で乗り換えを検討するケースもあるだろう。
そんな時、操作ミスなくしっかりFX会社を乗り換えできるよう、作業の流れをまとめてみた。
事前に準備するもの
FX会社を乗り換えるにあたり、事前に準備しておきたいもの。
現在の運用口座:当然あるはず。
乗り換え先口座:スワップポイントの高低などを参考に選定しよう。
ネットバンキング対応の銀行口座:なくても不可能ではないが、あると便利。
一時的な資金:現在の口座で含み損が膨らんでいて、証拠金維持率が低下していると必要になる場合も。詳細後述。
FX会社によっては口座開設に2週間ほど掛かる場合もあるので、乗り換え先の口座は事前に開設しておこう。(一般的には1週間前後のFX会社が多い。)
最新のスワップポイントについては以下も参考に。
モデルケース
具体的な説明をする為に、以下のようなケースを例に説明していく。
当初の入金額:100万円
保有ポジション:トルコリラ円ロング10万通貨(取得単価32円)
評価損益:-30万円(現在値29円)
累計スワップポイント:+10万円
口座評価残高:80万円
保有ポジションの必要証拠金は約12万円なので、このポジションからは最大約58万円出金できることになる。(100万円-30万円-12万円、スワップポイントの引き出しが出来る口座の場合は約68万円。)
作業の流れ
作業としては、概ね以下のような流れになる。
・現在の運用口座から余剰資金を出金、乗換先口座に移管
・乗換先口座でポジションを建てると同時に現在の口座のポジションを決済
・現在(旧)口座の残資金を出金、乗換先口座に入金
清く正しい乗り換えを行う上では、赤字部分で欲を出さないことが大切。
余剰資金の出金と移管
後述するように、今のポジションの決済と新規建てを同時に行う為、両方の口座に資金が必要になる。
今回のモデルケースの場合、現在の口座に50万円超の余力があり、必要証拠金が12万円程度であることから30万円ほど移すのが適切だろう。
この時点ではまだポジションは操作しない。
なお、評価損が膨れ、余力が無い場合には一時的に別のところから20~30万円程度の資金を準備する必要がある。
現在のポジションを移す・・・という意味であれば、作業後はその資金は出金しても構わないのだが、そもそも余裕が無さすぎるので入れたままにしておくことをおすすめする。
乗換先の新規建てと同時に現在ポジションを決済
さて、上記作業によって、口座の状況は以下のようになった。
現在の口座:70万円(評価額50万円)、10万通貨保有@32.000円
乗換先口座:30万円、ポジションなし
ここで、乗換先口座で新規建てをすると同時に現在のポジションを決済し、ポジションを入れ替える。
同時に行う理由
2つの口座での作業を同時に行うのは、タイミングをずらすとその間に相場が大きく変動するリスクがあるからだ。
例えば『現在のポジションを決済、全額を引き出してから乗り換え口座に異動、そして新規建て・・・』なんてやろうとすると、多くのFX会社では2営業日程度要する。急変するには充分な時間だ。
この間に急落した場合は安く買えてラッキー、なのだが、逆に急上昇した場合は大きな機会損失となってしまう。
成行か、指値か。
この二つの取引、厳格に考えるのであれば同時に成行を出すのが正しい。
例えば計算を楽にする為、現在の口座のスプレッドが3銭、乗換先の口座のスプレッドが2銭とした場合・・・
現在の口座:売値28.985 - 買値29.015
乗換先口座:売値28.990 - 買値29.010
というレート配信になる。(実際は多少の誤差があるが。)
よって、同時に決済することで約定するのは赤字部分であり、スプレッド分のコストが発生する。
※これはあくまでこの瞬間に焦点を当てた考え方であり、結局は現在の口座で買って売って、乗換先口座で買って(いずれ)売って、二往復分のスプレッドが発生する、ということに過ぎない。
じゃあこのコストを嫌って現在の口座と乗換先口座にそれぞれ29.000指値で注文することも出来る訳だが、そのスプレッド分動く前に反発する(つまり、一方しか約定しない)可能性もあり、そうした時にどう対応するか、案が無いならば大人しく成行注文し、コストは我慢した方が大きな火傷をせずに済む。
現在の口座から乗換先口座に資金を移管
この作業によって、口座は以下のような状況になる。
現在の口座:498,500円
乗換先口座:300,000円、10万通貨保有@29.010
上記現在の口座残高を、乗換先口座に移管することで作業は完了する。
※冒頭ではイメージを掴むため概算値で表記したが、ここからは正確に表記していく。
作業前の状態(現在の口座)
当初の入金額:1,000,000円
保有ポジション:トルコリラ円ロング10万通貨(取得単価32.000円)
評価損益:-301,500円
累計スワップポイント:+100,000円
口座評価残高:798,500円
作業後の状態(乗換先口座)
当初の入金額:798,500円
保有ポジション:トルコリラ円ロング10万通貨(取得単価29.010円)
評価損益:-2,000円
累計スワップポイント:0円
口座評価残高:786,500円
スプレッド分のコストをどう捉えるか。
さてこの作業によって、机上の計算では乗換先口座のスプレッド分のコストが発生することになる。
今回であれば、2銭。200円/1万通貨である。
つまり、現在の口座と乗換先の口座のスワップポイント差が10円/1万通貨あった場合、20日でペイできてしまう計算になる。
長期で保有するならば、低いスワップポイントで抱え続ける方がよっぽどデメリットとなる。
戻るかも、戻るかも・・・そう思ってまだ戻ってないFX会社、使ってないだろうか?
長らくスワップポイントが低迷しているFX会社を使用されている方は、この機に乗り換えてみるのも如何では。
スプレッドが狭いFX会社がおすすめ
乗り換えで生じたコストを早く回収するには、やはりスプレッドの狭いFX会社が良いだろう。
作業は流動性のある時間帯に行う方が安全で、わざわざリスクを冒して日本時間早朝にやる必要なんてないので、コアタイム制のスプレッドでも問題ない。
トルコリラ・南アランド:ヒロセ通商『LION FX』
トルコリラ・南アランド共にスワップポイント・スプレッド最高水準のFX会社。
トルコリラのスプレッドは1.9銭原則固定(コアタイムあり)、南アランドは1.0銭原則固定。
スワップ運用FX会社、特徴・スペック徹底比較!【ヒロセ通商 LION FX】
トルコリラ・南アランド:くりっく365
いわゆるFXとして一般的な店頭FXではなく、取引所FXと呼ばれるくりっく365。
トルコリラ・南アランド共に最高水準のスワップポイントである。特に、南アランドであればスプレッドも最狭水準。
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くりっく365ってナニ?店頭FXと取引所FXの違いは如何に。
トルコリラ:マネーパートナーズ『パートナーズFX』
南アランドは少々弱いが、トルコリラならば非常に優秀なスペック。
バナーが更新されていないのだが、トルコリラのスプレッドを1.9銭原則固定に縮小中。
スワップ運用FX会社、特徴・スペック徹底比較!【マネーパートナーズ PFX / nano】