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そもそもシリアで何が起きているのか。トルコ・ロシア・アメリカとの関係は?

アサド政権の科学兵器使用と、それに対するアメリカの巡行ミサイル攻撃・・・

ここに来て再び騒がしくなっているシリアだが、そもそもシリア問題とはいつ、何がきっかけで起きたのか

極々初歩的な内容でWikipediaでも読んだ方がよっぽど正確だとは思うのだが、僕自身の勉強と整理の為に極力簡単にまとめてみたい。

シリア問題ってそもそも何?何かよく分からないけど内戦で難民すごい事になってるんでしょ?って方向け。

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そもそもの背景

シリアは1962年以来50年以上に渡り非常事態宣言が継続されており、その非常事態法の下バアス党(バース党)による一党独裁体制が続いていた。

現大統領バッシャール・アル=アサドは前大統領ハーフィズ・アル=アサドの次男であり、前大統領の死去後、彼を大統領にするために大統領の年齢要件を引き下げる憲法改正が行われている。(長男は事故死している)

 

宗教的要因

アサド家はシリアでは少数派のイスラム教シーア派(のアラウィー派)であり、多数派のスンナ派からの反発は長く燻っていた。

 

経済的要因

自由市場導入による経済の混乱、特に2011年以後の物価の高騰、失業率の増大、干ばつ、それによる生活水準の低下が政府への不満となる。

 

人権的要因

非常事態の名の下保安部隊が逮捕・権限の持ち、人権活動家や政府の批評をする人間を次々に投獄。

それだけではなくシャッビーハという政府公認ヤクザがおり、政府を批判すれば怖い人が来る・・・という人権が著しく制限された状況であった。

 

事態の加速は2011年

正直に言うと個人的にはシリア問題について強く意識するようになったのはトルコリラを触り初めてからだし、内戦についてもいつの間にか始まっていたような印象を受けていた。

反政府運動が加速したのは2011年1月からであり、決定的であったのは3月15日にシリア各地で行われたデモを起点に抗議活動が拡大し、反体制勢力は武装、それを鎮圧しようとする政府軍・・・という内戦が始まった。

※この2011年3月15日というのが、日本においては東日本大震災の直後であり殆ど報道されなかったという背景があり、日本人は気付いたら大事になってた印象を受けるのかもしれない。

 

更にクルド人勢力・ISも加わり泥沼へ

シリア問題を長期化させている一つの要因として、政府と軍が一体化していること、反政府組織に複数の勢力が混在していることが挙げられる。

たまに耳にする軍部のクーデターなどは政府と軍が相反する為決着が早いのだが、シリアにおいては軍が政府と対立していない為に非常に強い力を維持している。

この問題の主な勢力は政府軍・反政府組織(自由シリア軍など)・IS・クルド人勢力に分類されるのだが、この反政府組織やIS、クルド人勢力もまた内部で統率が取れておらず、細分化している。

その為、政府軍がいなくなると今度はISの勢力が拡大するのではとの懸念もあり諸外国さえアサド政権退陣を要求しなくなっている・・・というのが複雑な事情。

 

アメリカ・ロシア・トルコ

アメリカは政府を批判、反政府勢力を支持

2011年6月、武力による鎮圧に対し当時のオバマ大統領が強く非難。これを起点にアメリカは反政府勢力支持の姿勢を持つ。

2013年のアサド政権による化学兵器使用時には空爆を試みるも、直前に中止

しかしつい先日、2017年4月の化学兵器使用時にはトランプ政権の下巡航ミサイルによる攻撃を実施

この攻撃はアサド政権を制圧する目的というよりは、他国を含めた化学兵器・核兵器使用の牽制の意味合が強いのだろう。

 

ロシアはアサド政権を支持

対して、ロシアは政府軍を支持している。

理由としては、ロシアにとってシリアは軍事拠点・武器輸出国として重要な位置を占めること、欧米に対する対抗と中東における影響力の維持などが狙いと言われている。

他にも独裁的政権を否定することが自己否定に繋がりかねないリスクや、そもそも欧米と対立するのが目的などとの声も。

 

トルコは間接的に反政府勢力を支持

アサド政権を牽制、多くの移民を受け入れながらもロシアとの関係維持もあり積極的な干渉は控えていたが、(エルドアン大統領のパフォーマンス的側面もありつつ)元々対立していたクルド人勢力・ISを掃討する目的で2015年に軍事攻撃を実施。

形の上ではアメリカと同じく反政府勢力を支援する形に。ここでロシアとの関係がギクシャクしたところでトルコ軍によるロシア機撃墜が起き、ロシア・トルコは対立することに。(後に関係は修復)

 

各国の関係は大体こんな感じ

グレーの双方向矢印は対立。

上記には載せていないけど、アメリカもロシアもISとは対立している。つまりISはほぼ全てと敵対している。そりゃそうか。

 

追記

2018年4月、シリアの化学兵器使用疑惑に対してアメリカからの攻撃が行われた。

この記事が再び読まれているので、執筆当初から情勢が変わった部分を赤で追記した。

 

凄く雑なまとめ

・事の発端はアサド政権の独裁への反対

・政府と軍が一体になっているので強固

・反政府組織が一体化していないので複雑。お互いの争いも。

最低限この点と登場勢力、各国との関係だけでも頭に入れておくと、トルコリラ周りのニュースの見え方が変わってくるのではないだろうか。

気力があれば追記予定!


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