副首相辞任懸念やアメリカによるシリア攻撃懸念でトルコリラ安が進行、26円を割り込んでしまったのが4月11日のこと。
その後トルコ中銀の独立性に関する声明や首相による介入示唆、シリア攻撃観測が一度後退などなど、警戒が和らいだことから買い戻しが進み、無事に26円を回復。そのまま週末を迎えた。
・・・が!
その回復を全てぶち壊すように米・英・仏の三国によりシリアへの攻撃が実行された。
週末のこのタイミングでの軍事攻撃。果たして週明けのトルコリラは大丈夫か・・・?
そもそも今回の事の発端
アサド政権、化学兵器で攻撃か、少なくとも21人死亡、シリア首都近郊で -日本経済新聞 2018年4月14日
シリア人権監視団(英国)は8日、シリアの首都ダマスカス近郊にある反体制派拠点の東グータ地区に対する7日の空爆で、窒息などで死者が少なくとも21人に上ったことを明らかにした。同地区は反体制派の制圧を狙うアサド政権軍の攻撃を受けていた。アサド政権側は否定するが、7日の空爆で化学兵器の使用が疑われている。
英BBCは現地の医療関係者の話として、化学兵器とみられる攻撃により少なくとも70人が死亡したと報じた。同地区では重体の住民も多くおり、今後も死者が拡大するおそれがある。
(抜粋)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29140330Z00C18A4EAF000/
7日にアサド政権軍が化学兵器を使用したとの疑惑。
これに対し事実確認の為の調査の安保理決議が行われようとしたが、ロシアが拒否権を行使したことにより実施されず。
中国は棄権をしていたので、残る常任理事国である米・英・仏が国連を介さずシリアへの攻撃を検討した、というのが事の発端。
参考:シリアを巡る各国の関係
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そもそもシリアで何が起きているのか。トルコ・ロシア・アメリカとの関係は?
アサド政権の科学兵器使用と、それに対するアメリカの巡行ミサイル攻撃・・・ ここに来て再び騒がしくなっているシリアだが、そもそもシリア問題とはいつ、何がきっかけで起きたのか。 極々初歩的な内容でWiki ...
こちらは丁度1年程前に書いた記事。
今回の一件で急激にアクセスが増加しているので、参考までに各国関係図だけ若干修正の上再掲しておきたい。詳細は記事を参考に。
米英仏、シリアを攻撃
米英仏がシリア化学兵器施設など攻撃、米国防長官「1度限り」 -ロイター 2018年4月14日
トランプ米大統領は13日、シリアのアサド政権の化学兵器関連施設を標的とした精密攻撃を指示し、米英仏軍は共同で14日未明にシリアを攻撃した。
トランプ大統領は、シリアが化学兵器の使用をやめるまで攻撃を続ける用意があると述べた。米英仏の軍事行動は、7日に反体制派が拠点を置くシリアの東グータ地区のドゥーマで化学兵器が使用されたとみられることを受けて実施された。
英国のメイ首相、フランスのマクロン大統領も米軍との共同攻撃を発表した。
シリアの国営メディアは、攻撃を「国際法違反」と非難、ロシアの駐米大使は「このような行動は結果を招かずに終わることはない」と警告した。
トランプ大統領は、アサド氏の関与が疑われる化学兵器攻撃について、「これらは、人間の所業ではない。モンスターによる犯罪だ」と批判。「イランとロシアに対してはこう尋ねたい。無実の男性や女性、子供たちの大量虐殺に関わりたい国とは、一体どんな国か」と、アサド政権を支援するロシアとイランにも批判の矛先を向けた。
ダンフォード統合参謀本部議長は米国防総省での会見で、標的には研究施設や化学兵器貯蔵庫が含まれていたことを明らかにした。
マティス米国防長官は昨年4月のシリア攻撃に比べて2倍の兵器を利用したとし、アサド政権に化学兵器を再び使用させないための「1度限りの攻撃だ」と述べた。
ドゥーマへの攻撃で使われた化学兵器について、マティス長官は塩素ガスだったことを確認した。またサリンが使用された可能性も否定できないという。
シリアの人権団体によると、ダマスカスとホムスの研究施設3ヵ所とダマスカスの軍事基地が攻撃された。
(抜粋)
https://jp.reuters.com/article/mideast-crisis-syria-idJPKBN1HL03Y
一時は攻撃しないのでは?との噂もあったが、最終的には三国共同での作戦が実施された。
これだけ取ると為替・株価への影響も大きそうだが、米国・・・というかトランプ大統領の単独行動ではなく、英・仏の首脳も同意の上での共同作戦というのは冷静な判断が行われた上での行動であることが体外的にも伝わるし、実は穏やかに受け入れられるのでは・・・という希望的観測を持っている。
ロシアに対してはフランスから事前通告(&トランプ大統領のツイッター発言)が行われ、施設破壊に限定したプロレス的攻撃で、EU大統領も賛同。ちなみにトルコのエルドアン大統領も賛同。
気になるのは、トランプ大統領が化学兵器の使用をやめるまで攻撃を続ける用意があると言っているのに、国防長官は一度限りの攻撃と言っている食い違いか。まあ、いつものことか。
トルコリラは・・・
トルコリラ円(TRY/JPY)1時間足
4月11日に25円台半ばを付けたのを底に綺麗な上昇をして26円回復、そのまま週末を迎えた中での今回の報道。
丸二日近くあるから冷静に受け止められ、何の影響もなく or イベント通過の流れで週明けを迎えて欲しいものだが・・・可能性としては再度26円割れの方が現実的か。
ちなみに、昨年のアメリカによるシリア攻撃時は日本時間金曜10時頃で、トルコリラ円が50pips弱の下落だった。
オープンしている時でそうだと考えると、短期決着だったこともあり、今回の影響は思ったより少ないかも!?(願望)
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