3月6日、トルコの政策金利が発表された。
結果は予想通り、24%での据え置き。
しかしトルコリラはやや売り込まれ、20.8円台から20.5円台へ下落した。
理由としては、イベント通過によるポジション解消・3月31日に控えるトルコ地方選挙を睨んだ動きだろう。
今回の政策金利発表前後の動きと、トルコ地方選のおさらいについて解説していきたい。
ポイント
- 3月6日に発表されたトルコ政策金利は『24.0%で据え置き』。
- 次回政策金利発表は4月25日20:00。
- 市場の反応は、イベント通過のポジション解消・3月31日の地方選を睨んでややトルコリラ売り。
- 地方選は現在、エルドアン大統領率いるAKPがやや優勢の見通し。トルコリラ的にはその方が好ましい。
- 1月半ば以降トルコリラの値動きは膠着しており、そろそろ大きな動きに警戒したい。
政策金利は予想通り24.0%で据え置き!
3月7日 20:00 トルコ3月政策金利(1週間物レポ金利)
予想24.00%に対し、今回24.00%。(前回24.00%)
3月7日 20:00 トルコ3月翌日物貸出金利
予想25.50%に対し、今回25.50%。(前回25.50%)
3月7日20:00 トルコ3月翌日物借入金利
予想22.50%に対し、今回22.50%。(前回22.50%)
と、予想通りの結果。
先日発表された2月のインフレ率は予想を上回る改善を見せたので、場合によっては利下げもあり得るかと思われたが・・・今回は一先ず据え置きとなった。
背景には、3月末の地方選を控えて慎重な動きになったという面もあるだろう。
なお、次回の政策金利発表は4月25日20:00。
地方選を終えて、ここで動きがあるかもしれない。
(参考)2月インフレ率
3月4日 16:00 トルコ2月消費者物価指数(前年比)
予想+19.9%に対し、今回+19.67%。(前回+20.35%)
3月4日 16:00 トルコ2月消費者物価指数(前月比)
予想+0.4%に対し、今回+0.16%。(前回+1.06%)
3月4日 16:00 トルコ2月生産物価指数(前年比)
予想+30.2%に対し、今回+29.59%。(前回+32.93%)
3月4日 16:00 トルコ2月生産者物価指数(前月比)
予想+0.6%に対し、今回0.09%。(前回+0.45%)
小幅ながら、いずれも軒並み改善している。
『インフレ率(19.67%)<政策金利(24.0%)』という構図が続いているので、そろそろ利下げが行われてもおかしくない。
なお、この発表の前にエルドアン大統領は「インフレ率は6-7%まで低下する」という発言をしているのだが、具体的なことは何も述べておらず市場は無反応。
完全に「まーた何か言ってるよ」という扱いである。
トルコ地方選は3月31日投票!
さて、件のトルコ地方選挙は3月31日に投票が行われる。
結果次第で大きく相場が変動する可能性があるため、要注目のイベントだ。
当初は与党・AKP(エルドアン政党)の苦戦が予想されており、パートナーであった政党・MHPとの連立が崩れたことで一時は敗戦ムードも流れた。
しかし、2018年10月頃からエルドアン大統領の支持率は徐々に回復しており、現在のメインシナリオとしては苦戦しつつも勝利する見込みだ。
警戒すべきは、エルドアン大統領率いるAKPが敗北する流れ。
地方選なのですぐに直接的な影響はないのだが、政権運営が揺らぐ懸念はある。
また、エルドアン大統領が支持回復を狙ってまた利下げだ何だと変なパフォーマンスをし始めることも想像に難くない。
個人的には、彼は大統領の座に残るなら残る、退くならスパッと退くべきであり、しぶとく残りながら足掻かれるのが一番迷惑だと考えている。
そんな訳で、直接進退には影響しない程度の地方選ではAKPが勝った方が無難だろう。
そんな中、トルコリラの動き
トルコリラ円(TRY/JPY)1時間足
政策金利は無事に据え置き・・・なのだが、トルコリラは一瞬上昇したものの、予想に反して下落。
理由としては、冒頭申し上げた通りイベント通過によるポジション解消・地方選に向けた警戒といったところだろう。
このあとも、3月一杯は様子見ムードで動きの少ない日が続くだろう。
そろそろ不穏な気配?トルコリラ円(TRY/JPY)日足
さて、長い期間で見てみると、2018年8月の暴落以降、1月頭の急落こそあれど概ね順調に回復してきている。
怖いのは、この水準で固まって長期移動平均線(オレンジ・緑)・短期移動平均線(紫)が収束してきていること。
こういう状況はよく『エネルギーが溜まってくる』と表現されるが、何かのきっかけで動いた時に爆発的な動きを見せる恐れがある。
注目すべきは、2018年12月頭につけた22円の山と、アップルショックが一服した後につけた19.5円の谷か。
このどちらかに抜けると、そのまま大きく動きそうに見える。
そのきっかけが3月31日の地方選となる可能性もあるので、注意していきたい。
まとめ
- 3月6日に発表されたトルコ政策金利は『24.0%で据え置き』。
- 次回政策金利発表は4月25日20:00。
- 市場の反応は、イベント通過のポジション解消・3月31日の地方選を睨んでややトルコリラ売り。
- 地方選は現在、エルドアン大統領率いるAKPがやや優勢の見通し。トルコリラ的にはその方が好ましい。
- 1月半ば以降トルコリラの値動きは膠着しており、そろそろ大きな動きに警戒したい。
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