2019年7月25日、トルコの制作金利が発表された。
今回こそいよいよ本当に利下げだろうとの予想の中、結果は【24.00% → 19.75%】へ4.25ポイントの利下げ。
事前予想は21.50%だったので、それを上回る利下げ幅である。
この結果トルコリラはというと…発表直後は上下に振れたものの、緩やかに上昇(トルコリラ買い)している。
理由としては
- インフレが減速し、市場原理としては妥当な利下げ
- 元々が売られ過ぎていた(トルコリラ安すぎ感)
- 利下げは経済にとってはプラスに働く面が大きい
- 利下げ自体はある程度予想されていた
という点が大きいと考えている。
この記事ではこれらの点や、今後のスワップポイントについて触れていきたい。
まずは政策金利結果:24%から19.75%への利下げ
7月25日 20:00発表 トルコ7月政策金利(1週間物レポ金利)
予想21.50%に対し、今回19.75%。(前回24.0%)
改めて結果を振り返ると、4.25ポイントの利下げである。
市場予想が2.5ポイントの利下げだったことを考えると、利下げ幅は思ったよりも大きい。
しかし次の章でも触れるように市場の反応は決して悪くなく、トルコリラはやや上昇している。
トルコリラはゆるやかに上昇
トルコリラ円(TRY/JPY)5分足
発表前は売りが加速したものの、発表の数十秒後には買い戻しが優勢に。
結果として、発表1時間後の21時現在では発表前よりも高い水準で推移している。
なぜ、予想よりも利下げしたのに上昇したのか
くどいようだが、今回の利下げは予想を大きく上回る利下げ幅だった。
それなのに何故上昇したのか、推測に過ぎないがいくつか理由を挙げていこうと思う。
インフレが減速し、市場原理としては妥当な利下げ
特にこの1,2年は異常なまでのインフレに苦しんでいたトルコだが、今月頭に発表されたインフレ率(消費者物価指数)はやや減速している。
数ヶ月19%前後で推移していたが、今月は15.72%(年間)
これでも全然高い水準ではあるのだが、一時に比べれば随分マシな水準だ。
中央銀行の金融政策としては、インフレ率が上昇したら金利を上げることで市場に出回るお金の量を絞り、改善を促すのがセオリー。
逆に言えば、インフレ率が落ち着いたらそれに伴って政策金利も引き下げることが定石だ。
その点から考えると、今回の利下げは極めて妥当だと言える。
元々が売られ過ぎていた(トルコリラ安すぎ感)
これは心理的な問題。
確かにトルコはクーデター未遂、独裁色の高まり、高いインフレ・失業率…などなど、経済・政治を取り巻く懸念が大きい。
しかしそれにしても、他の通貨と比べて安くなりすぎているのでは?という話。
いやもっとヤバい通貨他にもあるでしょうと。
ただ値ごろ感の話はタブーな節もあるので…そう思っている層が一定数いた『かも』程度に捉えて頂ければ。
利下げは経済にとってはプラスに働く面が大きい
スワップ投資家にとっては『利下げ = スワップポイント低下 = 悪』というイメージがある。
しかし、実際には政策金利が高いということは、企業がお金を借りる金利も高いということ。
そうすると企業はその金利以上の利益を出さなければならず、かつ利益も削られてしまうので経済にとっては厳しい。
人件費を削ったり、販売価格を上げるなどの手を打たざるを得ないだろう。
そうすると市民の生活は苦しくなり、結果としてお金の巡りが悪くなって経済は減速していく。
つまり金利が下がれば企業は余裕ができるので、賃金上昇・設備投資などが加速して経済が潤う。
(というのが、理想の姿。実際は内部留保に回ることも多いだろう。)
利下げ自体はある程度予想されていた
市場の予想は21.5%とはいえ、『利下げすること』自体はほぼ確実視されていた。
そのため、据え置きだと思ったら利下げした…みたいな状況に比べてサプライズも小さかったのだろう。
いわゆる『(ある程度)織り込み済み』ということ。
トルコリラのスワップポイントは低下が予想される
スワップ派には肝心の問題。
結論から言えば、恐らく低下するだろう。
先月最もスワップポイントが高かったサクソバンク証券が、1万通貨あたり平均107.50円/日。
6月の平均レートを18.5円だとすると、約21.2%のスワップポイントが発生していたことになる。
今回の制作金利に基いて『トルコリラ=19円・金利19.75%』だとすると、1日あたりのスワップポイントは約102.8円/1万通貨。(※)
実際のスワップポイント付与額としては、100円を維持できるかどうかというところだろう。
※実際には政策金利ではなく、いわゆるトムネ(トゥモローネクスト)という金利に基いて計算されることが多い。あくまで参考程度に。
スワップポイントを維持するためには…
- FX会社が利益を削って赤字覚悟の大放出
- マイナススワップを拡大して帳尻を合わせる
- 他通貨のスワップポイントを調整して帳尻を合わせる
などの選択肢が考えられるが、どれも長期的には微妙な選択。
これからも政策金利は段階的に利下げが予想されるので、トルコリラのスワップポイント低下は免れないだろう。
まとめ
- 7月のトルコ政策金利は24.00%→19.75%へ大幅利下げ
- トルコリラのレート自体はやや上昇している
- 残念ながらスワップポイントは低下が予想される
スワップポイントの低下に関しては、どのくらい下がるかが注目ポイント。
極端に下がるようであればメキシコペソなどに乗り換えるか、サヤさえ抜ければオッケーなサヤ取りで戦うか。
いずれにせよ、しばらくはトルコリラのスワップポイントは様子見が必要。
メキシコペソの環境が改善したので、ペソサヤ取りがいいかもしれない。
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