先日24円、23円を相次いで割り込み、中銀による緊急利上げが発表されたトルコリラ。
一時24円まで急回復を見せたのだが効果はあまり持続せず、足元では再び23円を割れるかどうかという水準まで下落している。。。
そんな中、5月25日20:30に発表された5月のトルコ景況感・設備稼働率をチェック!
更に、フィッチ・S&Pに続きとうとうIMFからもトルコに警告が・・・?
まずは指標をチェック!
5月25日 20:30 トルコ5月景況感
予想108.2に対し、今回109.9。(前回111.2)
5月25日 20:30 トルコ5月設備稼働率
予想76.4に対し、今回77.9。(前回77.3%)
どちらもこの状況下じゃ大して影響ないだろうけど・・・悲観時の良い指標は無視され、悪い指標は売られるという傾向があるので予想を超えて何より。
通貨は下がっている一方で株価は維持している辺り、経済は悪くないんだろうなあという希望が持てる。
とうとうラスボス、IMFからの警告・・・
IMF専務理事:トルコは中銀の独立性を尊重するべきだ -ブルームバーグ 2018年5月25日
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は25日、トルコ政府に中央銀行の独立性を尊重するよう促した。
同専務理事はサンクトペテルブルクでブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「金融政策については常に、政治指導者が中銀総裁に必要な責務を果たさせ、中銀の独立性を尊重し保証する方が良い」と語った。
トルコのエルドアン大統領が今月に入り、選挙に勝利すれば中銀に対する統制を強めると発言したことから同国は通貨危機に陥っている。
ラガルド専務理事は「一部の発言が国際社会と特に投資家を警戒させた。トルコ中銀が突然、政府の命令と指示、影響にさらされるという懸念が浮上した」と述べた。
同専務理事はアルゼンチンについても語り、IMFは同国の財務省や中銀などの当局と緊密に協力しており、プログラムは有効に機能していると述べた。また、新興市場で見られる資金流出はドル高を踏まえれば予想された事態だとした上で、多くの市場で、2013年に米量的緩和縮小の示唆で相場が荒れた「テーパータントラム」当時よりも状態は良いとも付け加えた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-25/P99U8S6TTDS301
フィッチ、S&Pに続き、とうとうIMFからも警告が。
冷静に考えてこれ、そこそこ重症だと思うのだが・・・エルドアンのことだからまた『トルコを陥れる陰謀』とか言い出しそうだ。
批判を受け入れず、周囲をイエスマンで固める独裁者モデルがますます色濃く。
そんな中でも、トルコ国民の半数近くは『トルコリラは悪意ある取引により価値が毀損されている』という政府見解を盲信しているようだ・・・。
参考記事
トルコ大統領の再選あるか、通貨リラ急落が長い影 -ロイター 2018年5月24日
トルコは通貨リラが急落した影響で労働者階級の生活がひっ迫し、エルドアン氏が再選を目指す6月の大統領選に影を落としている。
チャルシャンバ市場で衣料品を商うオズギュル・カミスさんは、リラ安のために5ドルのズボンの仕入れ値がわずか1日で23リラから24.5リラに上がったとこぼす。「大統領が政策判断を誤ったせいだ。今はまだましな方で、大統領選後はもっとひどくなるだろう」という。
エルドアン氏は15年間も政権の座にあり、トルコの急激な経済成長を主導した実績を持つが、近年は国内で強権的な姿勢を強めている。海外投資家からは一様に警戒感を持たれているが、国内でもカミス氏のようにこれまで中核的な支持基盤だった労働者層から課題を突き付けられる可能性がある。
与党寄りと目されている調査機関MAKが23日公表した調査結果によると、大統領選と同時に実施される総選挙は接戦となっており、エルドアン氏の公正発展党(AKP)と国家主義的な連立政党の支持率が50%となっている。
大統領選の予想はエルドアン氏の支持率が51.4%だが、7月に決戦投票が行われる展開になればエルドアン氏は野党候補などと厳しい戦いを強いられるだろう。
ただ、今でも熱心なエルドアン支持者は少なくない。こうした勢力は、リラは外国人投資家に狙い撃ちされているとの政府の見解をうのみにしている。
チャルシャンバ市場の店員のアーメトさんは「外国の勢力はエルドアン氏を引き下ろすためにドルを押し上げている。しかし誰もエルドアン氏を打ち負かすことはできない。最後までAKPを支持する」と話した。
トルコの景気サイクルがピークを迎えたとみられることから、エルドアン氏は先月、大統領選を1年以上も前倒しした。政策誌ターキー・アナリストの編集長のハリル・カラベリ氏は「今から1年後に起きると言われる景気後退期の真っただ中に大統領選が行われれば、状況は違っただろう」と述べ、エルドアン氏の勝利を予想した。
ワシントン・インスティテュートの研究員のソネル・チャアプタイ氏は「トルコでは国民の半分がエルドアン氏を憎み、もう半分は熱心に支持している」と話した。
https://jp.reuters.com/article/turkey-election-analysis-idJPKCN1IP0QL
盲信って怖い・・・と思う一方で、この構造って実は笑いごとではなくて、日本国内でも同様なことが起きる・起きているかもね。
これらを受けてトルコリラは・・・
ドルトルコリラ(USD/TRY)15分足
先日4.5付近まで回復したドルトルコリラも、4.7-4.8辺りの水準まで反発してしまった。
利上げ前の水準に比べれば幾分マシだが、爆発力は持続しなかったと言わざるを得ないだろう。
ドル円(USD/JPY)15分足
参考に、ドル円は109円台でウロウロ。
結果、トルコリラ円(TRY/JPY)15分足
24円からはだいぶ落ち込み、23円を割り込む局面もチラホラ。
24円とか25円とは言わないので、せめて23円くらいは維持して週末クローズを迎えてほしい・・・!
最新のスワップポイントランキングをチェック!
トルコリラ円
-
-
トルコリラ円(TRY/JPY)最新スワップポイントランキング|スワポが最も高いのは?
>ランキングまでジャンプ< 高いスワップポイントが魅力の、トルコリラ。 高金利通貨の中でも特に高い政策金利 & スワップポイントが人気の通貨である。 せっかく運用す ...
続きを見る
南アフリカランド円
-
-
南アフリカランド円(ZAR/JPY)最新スワップポイントランキング|スワポが最も高いのは?
>ランキングまでジャンプ< 高いスワップポイントが魅力の、南アフリカランド。 トルコリラよりも落ち着いた値動きなのが魅力である。 そんな南アフリカランド、せっかく運用するな ...
続きを見る
メキシコペソ円
-
-
メキシコペソ円(MXN/JPY)最新スワップポイントランキング|スワポが最も高いのは?
>ランキングまでジャンプ< 高いスワップポイントが魅力の、メキシコペソ。 南アフリカランドよりもちょっとスワップポイントが高く、トルコリラよりも値動きが落ち着いている割とい ...
続きを見る