この記事では、2018年6月24日に投票が予定されているトルコの大統領選・総選挙について情報をまとめていく。
順次追記予定。
開票速報
トルコの半国営メディア、アナトリア通信の大統領選 & 総選挙速報のページ。(SSL化していない外部リンクの為、後程リンクは削除予定。)
http://secim.aa.com.tr/
エルドアン勝利濃厚か・・・。
6月25日02:00現在、開票率約60%時点
エルドアン大統領 得票率 約56%
AKP(現与党)得票率 約57%
6月25日03:00現在、開票率約80%時点
エルドアン大統領 得票率 約54%
AKP(現与党)得票率 約55%
6月25日04:00現在、開票率約93%時点
エルドアン大統領 得票率 約53%
AKP(現与党)得票率 約54%
選挙スケジュール
4月20日:選挙の前倒しが議会通過。正式に決定。
5月5日:立候補受付終了。
5月13日:出馬資格審査の上、候補者リスト発表。
6月7日~19日:海外有権者の事前投票。国により日程が異なる。
6月24日:第一回投票。
7月8日:第一回投票で過半数の票を獲得した候補者がいなかった場合、上位二名で決選投票。
トルコの政党について
AKP(公正発展党):エルドアン大統領率いる現・与党。
CHP(共和人民党):野党第一党。インジェ氏が出馬。
IYI(良い政党):元内相の女性候補・アクシェネル氏率いる新党。
MHP(民族主義者人民党):AKPと事実上連立する保守派(極右)野党、そこそこ大きい。野党第二党。エルドアン氏支持。
HDP(国民民主主義党):クルド系野党最大派閥。野党第三党。デミルタシュ氏を擁立予定。
DP(民主党):中道右派政党。祖国党と正道党の流れを組む。現在議席なし。党首ペリンチェキ氏が出馬。
SP(至福党):イスラーム系政党。現在議席なし。党首カモラッラオール氏が出馬。
※赤字は野党による、青字は与党による政党連合。
この記事では、トルコの政党名が頻繁に登場する。特にAKP・IYIは選挙戦が進むにつれて頻出が予想される為、要チェック。
選挙の前倒しについて
この選挙は、本来議員及び大統領の任期が終了する2019年11月に予定されていたもの。
当初は現与党・AKPの連立相手であるMHPから8月に前倒しすることが提案され、その後エルドアン大統領の鶴の一声により6月24日の実施が決定された。(議会を通してはいるが、AKP・MHPで議席数の2/3を占めている為出来レースである。)
2017年に行われた憲法改正を巡る国民投票により大統領権限の強化が決定し、この選挙を終えると全ての効力を発揮することになる。
当然、前倒しにしたのは今なら勝てるという公算があってのことだろう。
今回の選挙の注目ポイント
何よりもまずは現大統領・エルドアン氏が再選を果たすかに尽きる。
2016年のクーデター未遂以降エルドアン大統領の独裁色が強まっており、国内外から批判的な声が増している。
マスコミに対する情報規制も強化されており、今回の大統領選においてもトルコ国内メディアの情報は相当なバイアスが掛かっていると思った方が良いだろう。
各国との関係改善、金融政策の建て直しという意味ではエルドアン氏に退いて頂いた方が良いだろうというのが大勢の意見。
その後の政権運営のことも考えると、大統領選だけの勝利ではなく議席数においても安定多数の獲得が望まれる。
大統領選の仕組み
トルコの大統領選は、フランスなどと同じく2ステージ制。
第一回投票で過半数の票を獲得した候補者がいれば、その時点で当選。
いずれの候補者も過半数に満たなかった場合、上位二名の候補者で決選投票が行われる。
候補者A:40%
候補者B:35%
候補者C:25%
例えば第一回投票が上記のような得票率だった場合、50%以上を獲得した候補者がいない為、候補者A・ Bでの決選投票が行われる。
ここで候補Cの支持者の票が誰に投じられるかが重要であり、場合によっては順位が逆転する可能性もある。
候補者A:45%(+5%)
候補者B:55%(+20%)
このような形である。
現在野党はこのパターンに賭けていて、候補者を乱立させることで第一回投票の票を分散してまずはエルドアン氏の得票率を50%未満に落とすことを企んでいる。
そして、各候補は決選投票に勝ち残った候補への支持を表明し、決選投票での逆転を目指す。
ギュル氏の出馬について
ギュル氏というのは、2007年7月から2011年6月まで務めた、前大統領。
現在はAKPの所属なのだがエルドアン現大統領とは折り合いが悪く、野党CHPから出馬要請を受けていた。
が、結果としては反エルドアン体制が分裂していることなどを理由に見送り。
各候補の様子
下記6人にて候補者は出揃い。5月13日に選挙管理委員会により発表された。
事実上エルドアン氏・インジェ氏。アクシェネル氏の三人の争いとなりそうだ。ポイントは誰が決選投票に残るか・・・
AKP:エルドアン現大統領
当然ながら誰よりも早く出馬表明。2017年の国民投票で苦戦した都市部を中心に選挙戦を展開している。
「金利・インフレ・赤字の低下、テロとの戦い」を公約として掲げているが、未だに金利引き下げを訴えているのが気になる。
やはり企業側の票獲得に向けたパフォーマンス的な側面があるのか、本気で金利を下げればインフレが抑えられると思っているのか・・・。
「まずは金利を引き上げてインフレ抑制、その後然るべき水準まで段階的に金利を引き下げ」とかなら評価できるのだが。
CHP:インジェ氏
現CHP党首とは党内で対立する人物。
当初ギュル氏を擁立しようとしていたこともあり、締切ギリギリでの出馬表明。
IYI:アクシェネル氏
元内相経験者の女性候補。
元々AKPの所属だったが、党内の権力闘争に敗れ2016年にMHPへ移籍。その後2017年10月に新党IYIを結成している。
国内での愛称は女オオカミ、欧米メディアでは鉄の女と評される。
党員数が少なく大統領選への出馬が危ぶまれていたが、CHPが15人の議員を移籍させる形で支援し、出馬が実現。
CHPの主な支持層は富裕層・左派でありAKPとは住み分けられている一方で、敬虔なイスラム教徒であるアクシェネル氏に対しては保守派の支持も集まっている。
つまりエルドアン大統領の票を奪える存在で、過半数割れを狙う上では最も重要な人物になってくる。
第一回投票でエルドアン大統領が過半数に届かず、決選投票でアクシェネル氏逆転というのが理想的な流れか。
EUとの関係も良好であり、政権運営にも一定の期待が持てる。
HDP:デミルタシュ氏
前共同党首・・・なのだが、クルド人労働党(PKK。現在の政権下ではテロ組織として扱われている)と関係があるとして2016年に逮捕、現在も拘留中である。
出馬の届出はされたが、資格があるかは13日に発表される。
もし出馬が却下された場合、クルド系の票をどこが取るかも大きな注目ポイント。
エルドアン氏とクルド人は犬猿の仲、アクシェネル氏は極右政党に在籍していたことを考えると現実的なのはCHP。既に手を結ぶために動き始めているようだ。
追記:出馬は認められた模様。
SP:カラッカオール氏
現党首。
DP:ペリンチェキ氏
現党首。
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