1月8日、9日にトルコ11月の工業生産、財務省現金残高、小売売上などの指標が発表された。
その指標を見て行く前に、本日1月9日に報じられた日銀の買いオペ減額について見て行こう。
長期債の買い入れ減額
円が全面高、日銀によるテーパリング思惑で-ドル・円一時112円半ば -ブルームバーグ 2018年1月8日
東京外国為替市場では円が全面高。日本銀行がこの日の金融調節で長期国債買い入れ額を減らしたことを受けて、量的金融緩和縮小(テーパリング)の思惑から円買いが優勢となった。
ドル・円相場は9日午後3時9分現在、前日比0.4%安の1ドル=112円68銭。朝方に113円18銭まで上昇した後、日銀による午前10時10分の金融調節で国債の買い入れ減額が通知されると、円買いが一気に強まった。一時は112円50銭と4日以来のドル安・円高水準を付けた。
FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、ドル・円の下落について、「日銀のオペがきっかけ。113円台半ばは買いたくないと思っていたところで材料を探していたのかもしれない」と説明。「米10年債利回りも2.5%が壁になっているようで、そこから上に行けないため、113円台は売りたい材料になっているが、かといって112円台前半にがんがん売っていくのも難しい。一目均衡表の雲の下限112円35銭付近で止まるのではないか」と述べた。
午前の金融調節で日銀は、残存10年超25年以下を1900億円、残存25年超を800億円とそれぞれ100億円減額した。超長期ゾーンの減額は残存10年超25年以下が2016年12月28日以来、残存25年超は昨年11月24日以来となる。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-01-09/P29P5V6JIJUQ01
言われ続けてきた日銀出口戦略・・・のまだ前段階か。
日銀のステルステーパリング自体はかねてより別の方法で行われていたと言われるが、ここに来て国債買い入れ額という目立つ形で行われたことへの警戒反応だろう。
これを受けてドル円(USD/JPY)15分足
10:00過ぎ、日銀オペを受けて急落。
なお、その後18:00頃から米10年債利回り上昇に伴い、半値程戻している。
指標結果発表!
1月8日 16:00 トルコ11月工業生産(前年比)
予想+6.5%に対し、今回+7.0%。(前回+7.4%)
1月8日 23:30 トルコ12月財務省現金残高
予想情報なし、今回-211.2億トルコリラ。(前回56.5億トルコリラ)
1月9日 16:00 トルコ11月小売売上(前月比)
予想+0.3%に対し、今回+0.7%。(前回+0.9%)
1月9日 16:00 トルコ11月小売売上(前年比)
予想+2.7%に対し、今回+4.1%。(前回+2.4%)
この2日間で発表された指標は軒並み良好。
財務省現金残高は大きなマイナスとなったが、これ自体は大きな影響のない指標なので、さして気にする必要はないだろう。
トルコEU加盟に進展
トルコEU加盟 協定通じた「パートナーシップ」案浮上 -毎日新聞 2018年1月7日
交渉が長年難航しているトルコの欧州連合(EU)加盟を巡り、正式加盟ではなく、協定を通じた「パートナーシップ」を形成する案が浮上している。背景には、2016年夏に失敗したトルコのクーデター以降、エルドアン政権による強権政治が続き、欧州側が人権侵害や非民主的対応だと批判していることがある。
トルコとEUが連携協定を結ぶ構想は、マクロン仏大統領が5日に提案した。マクロン氏はトルコのエルドアン大統領とパリで会談した後、共同記者会見し、トルコのEU加盟交渉は「進展が見込めず非現実的だ」と指摘。そのうえで、「双方に有益で詳細な連携協定の締結を視野に入れるべきだ」と提案した。マクロン氏はトルコとEUの敵対は「テロ組織などを利するだけだ」とも述べ、安定した戦略関係の構築が必要だとの考えを示した。
これに対し、エルドアン氏は「待ちくたびれてしまった」と述べ、EU加盟以外の枠組みでの協力や連携に反対はしなかった。
エルドアン大統領は年初よりフランスを訪問していたのだが、その中でEU加盟ではなく、パートナーシップという選択肢が浮上してきたようだ。
これについてはトルコ・チャウショール外相、ドイツ・ガブリエル外相も会談を行っており、和解に向けた声明も出されている。
パートナーシップ案が実現するとして、パスポート・ビザの問題や関税、各種規制の適用などその内容次第でただの形式的なものに終わるのか、ほぼ加盟と言えるのか・・・それによってトルコ経済に与える影響は変わってくるだろう。
まあ、少なくとも関係が良好になることは好感されるだろう。
非常事態宣言は4月まで延長
非常事態、3か月延長決定 -TRT 2018年1月9日
レジェプ・ターイプ・エルドアン大統領の議長のもと、1月8日、閣議が行われた。
大統領府総合施設で行われた閣議の終了後、ベキル・ボズダー副首相兼政府報道官が記者会見を開いた。
ボズダー副首相兼政府報道官は、1月19日までとされていた非常事態を再度延長すると発表した。
https://www.trt.net.tr/japanese/toruko/2018/01/09/fei-chang-shi-tai-3kayue-yan-chang-jue-ding-884144
一度打ち切り・・・なんて話もあったが、どうやら3ヶ月の延長が決定されたようだ。
一部で噂されているように、非常事態宣言の真の目的が死刑制度復活の国民投票を行い、ギュレン師を死刑にすることだったならば、証拠不足と対米関係的にギュレン師の引き渡しは絶望的、EUとのパートナーとなると死刑復活も難しそうということで、継続する必要が薄れてきた、とも解釈できる。
※EUは世界中での死刑制度廃止を目指している為、死刑復活を掲げていてはパートナーとなれないと予想される。
これらを受けてトルコリラ
ドルトルコリラ(USD/TRY)15分足
日銀オペはこちらには影響なし。
本日の指標ではトルコリラ買いの反応が起きたのだが、それ以上に米国債利回り上昇によるドル買い反応が強かった。
トルコリラ円(TRY/JPY)15分足
日銀オペで下落、更に米国債金利上昇で下落とダブルパンチ。
円高・ドル高でトルコリラが押し負けた・・・といったところか。
30円を割ってしまったが、先日見た日足的にも29.6円辺りまでは押し目の範囲だと思われるので、短絡的に悲観することはないだろう。
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