先週末から大きな騒ぎを引き起こしているトルコショック。
昨晩(8月13日)は中銀による流動性確保の声明などがを受けながら16円付近での動きだったが、流石に売られ過ぎだったのか本日は一時17円にまで回復!
回復までの様子をチェックしていきたい。
ブランソン牧師解放の『怪情報』
米国人牧師釈放の噂でトルコリラ(TRY)上昇 -GI24 2018年8月13日
トルコに拘束されている米国人牧師が8月15日までに釈放されるという噂がでていることで、トルコリラ(TRY)が買われている、対ドルでは6.85TRY近辺まで上昇。ドル円も110.71円まで買い戻された。
これは8月13日の夜に出された怪情報。
直後に米大使館がこれを否定し、反発したので8月14日現在も牧師解放について出所のはっきりした情報はない。
どうもSNS情報が発端らしく、フェイクニュースの類と思われる。
独メルケル首相からの追い風
独首相「トルコ中銀の独立確保を」 欧州経済への影響懸念 -日本経済新聞 8月14日
トルコの通貨リラの急落を受け、ドイツのメルケル首相は13日、「トルコ中央銀行の独立を確保するためにあらゆる手段を尽くさなければならない」と述べた。トルコ経済の不安定化による欧州経済への影響を懸念した。
ドイツ通信(DPA)などによると、メルケル首相はベルリンでの記者会見でトルコ経済の状況について聞かれ、「トルコ経済の不安定化で得をする者はいない」と答えた。「ドイツはトルコの経済的な繁栄を望んでいる。それはドイツにとっての利益でもある」と強調した。
トルコリラはエルドアン大統領が利上げをけん制してきたことに加え、対米関係の悪化で大幅に下落。メルケル首相の発言の背後にはトルコ中銀が独立性を示して利上げを進めるべきだとの考えがあるとみられる。
ロイター通信によるとドイツのマース外相は同日、トルコ政府の米国やドイツに対する姿勢について改善を求めた。
トルコ政府が米国人牧師を拘束したのと同様にドイツ人も逮捕・収監されているとし、「現在の状況は大きな懸念を呼んでいる」と断じた。そのうえで「(対米・対独関係の改善が)経済問題を含む問題解決につながる」と述べた。
これも8月13日の出来事だが、珍しくドイツがトルコを支援するスタンスの発言をしている。
これはトルコにとってまあまあ追い風なのだが・・・
裏にあるのはやはり難民問題だろう。
トルコは300万とも言われるシリア難民を受け入れており、これはドイツを始めとした欧州にとって大きな『貸し』である。
要は、トルコが崩れたらその難民が今度は欧州に流れ込み、各国はその受け入れに直面する。
その為、エルドアンの独裁を批判しつつも最終的にはトルコに倒れてもらっては困るのである。
エルドアン、米家電の不買運動へ
トルコ、米国製電気製品の不買運動実施へ=エルドアン大統領 -ロイター 2018年8月14日
トルコのエルドアン大統領は14日、米国製の電気製品に対し不買運動を実施すると述べた。米国はトルコで拘束されている米国人牧師を巡り、同国に対して制裁を科したほか、関税を引き上げた。
エルドアン大統領はトルコ経済について必要な措置を実施しているが、重要なのは確固たる政治スタンスを維持することだとの見方を示した。
また火に油を注ぐようなことを・・・
これに関して国内メーカーの名前を挙げて「我々にはVESTEL社のスマートフォンがある」と発言しているそうだが、仮にこの運動が継続したとして陰でiPhoneが売買されるような気配がしてならない。
一方で国内経済への投資・新たな同盟構築へ
トルコ、「2023年目標」の投資加速 経済への攻撃続く=大統領 -ロイター 2018年8月14日
トルコのエルドアン大統領は13日、経済への攻撃に対応するため、「2023年目標」達成に向けた投資計画を加速すると表明した。この計画は大規模な建設プロジェクトから成り、トルコ経済を世界トップ10に押し上げることを目標としている。
エルドアン大統領はトルコ大使らを前に、トルコが新たな同盟関係の模索を強化しており、ロシアとの関係を前進させていると述べた。
さらに、中国の経済目標とトルコの目標を共に進めることが新たな協力の機会につながっていると述べた。
また、トルコ経済への攻撃は今後も続く見込みだが、トルコリラは間もなく「合理的な水準」に回復するとの見方を示した。リラはこの日、一時1ドル=7リラ台に下落し、最安値を更新した。
トルコ経済に関する誤った報道の拡散は国家への背信であり、このところの米国の対応はトルコに対する裏切り行為だと批判した。
https://jp.reuters.com/article/turkey-economy-investment-idJPKBN1KY1RW
投資で経済刺激、これがどの程度効果があるかはさておき・・・
プーチン大統領との電話会談の意図は、つまりアメリカとの関係を見限ってロシアと手を結ぶ道の模索だったと。
・・・少なくともそれがトルコ経済にとってプラスとは思えない。
アルバイラク財相、投資家と会談へ
【要人発言】トルコ財務相関係者「財務相は木曜日に米・欧・中東の投資家と会談を行う」 -GI24 2018年8月14日
トルコ財務相関係者「アルバイラク・トルコ財務相は木曜日に米・欧・中東の投資家と電話会談を行う」
それはさておき・・・昨夜発表される予定だった行動計画は何処へ・・・?
と思ったら、本日8月14日の21:45から演説が予定されているという情報が入ってきた。
→追記参照
これを受けてトルコリラ
トルコリラ円(TRY/JPY)15分足
どの報道がきっかけという感じでもなく、夕方からトルコリラがじわりと回復。
とはいえ、これは反転したというよりも売られ過ぎたものが買い戻された動きと見て置いた方が良さそうだ。
まだまだ事態は収束したとは言えない。
ドルトルコリラ(USD/TRY)15分足
ドルトルコリラも一服、7.0付近から6.5付近へ。
この後のアルバイラク財相演説、情報があやふやだが、事実ならば気が抜けない。
また中身のないものだと、いよいよ市場から無能の烙印を押されるだろう。
頼むからトランプはツイート被せないでくれ・・・
追記:アルバイラク財相演説
トルコリラは上向く、ドルは信頼失った=財務相 ロイター 2018年8月14日
トルコのアルバイラク財務相は14日、トルコ政府は通貨リラ相場を保全するとし、相場は上向くとの見方を示した。同時に、ドルは政治手段として利用されているため信頼を失っているとの見解を示した。
財務相は与党・公正発展党(AKP)の議員に対し「われわれはリラを保全する。リラは今後、大きく上昇する」と述べた。
米国はトルコに対し制裁措置を導入したほか、関税率も引き上げた。アルバイラク財務相はこれについて、トルコは「世界金融システムの最大のプレーヤー」の直接的な標的になっているとし、問題を政治問題に転換すれば「代償を払う」ことになると警告。「ドルは信頼を失った」とし、「ドルが政治的な懲罰の手段として利用される中、われわれはリラの保全に向け強力な措置を取っていく」と述べた。
同財務相はまた、自由な市場の規律の範囲内で対策を実施し続けると同時に、企業の外為リスクの低減に向け対応する姿勢を表明。政府は市場の緊張緩和にあらゆる手段を尽くしているとし、トルコリラの取引について一段と強力な措置を取る姿勢を示したほか、トルコは財政規律を維持するとも述べた。
投資については、もたらす付加価値に応じて優先度を決めると表明。政府の政策枠組みの中で、効果的な改革が最重要事項となるとの見解も示した。
https://jp.reuters.com/article/tr-lira-finence-minister-0814-idJPKBN1KZ1OF
そこまで大々的なものではなく、党内の演説に留まったようだが・・・
それにしても中身がない。
行動計画、どこ行った?
これを受けてトルコリラ
トルコリラ円(TRY/JPY)15分足
アルバイラク財相の演説は中身のないハッタリに終わったが、それでも回復の流れが強く一時17円台半ばまで上昇。
このまま事態が沈静化してくれれば良いのだが、とりあえずは牧師の身柄について決着を付けないことには難しいだろう。
ドルトルコリラ(USD/TRY)15分足
ドルトルコリラも6.3付近でそこそこ堅調に推移。
とりあえず6.0割って欲しい・・・できれば5.0まで。
最新のスワップポイントランキングをチェック!
トルコリラ円
-
-
トルコリラ円(TRY/JPY)最新スワップポイントランキング|スワポが最も高いのは?
>ランキングまでジャンプ< 高いスワップポイントが魅力の、トルコリラ。 高金利通貨の中でも特に高い政策金利 & スワップポイントが人気の通貨である。 せっかく運用す ...
続きを見る
南アフリカランド円
-
-
南アフリカランド円(ZAR/JPY)最新スワップポイントランキング|スワポが最も高いのは?
>ランキングまでジャンプ< 高いスワップポイントが魅力の、南アフリカランド。 トルコリラよりも落ち着いた値動きなのが魅力である。 そんな南アフリカランド、せっかく運用するな ...
続きを見る
メキシコペソ円
-
-
メキシコペソ円(MXN/JPY)最新スワップポイントランキング|スワポが最も高いのは?
>ランキングまでジャンプ< 高いスワップポイントが魅力の、メキシコペソ。 南アフリカランドよりもちょっとスワップポイントが高く、トルコリラよりも値動きが落ち着いている割とい ...
続きを見る