バイアンドホールド、積立、サヤ取り、リピート・・・
一言にスワップ運用と言っても色々な手法があるが、具体的にはどんな特徴があって、何を基準に選んだら良いのか。
この記事では、これからスワップ運用を始める方に向けて
- 各投資手法の特徴とメリット・デメリット
- 手法ごとのFX会社の選び方
について紹介していく。
ここがポイント!
- シンプル王道の長期保有『バイアンドホールド』
- 下落環境に強い『買い下がり』
- 毎月コツコツ『積立』
- 値上がり益も欲張る『リピート系』
- 相場リスクゼロの『サヤ取り』
正攻法の長期保有『バイアンドホールド』
BUY(買う) & HOLD(保有する)。
最もシンプルであり、スワップ運用における王道。
トルコリラ円などを買い(ロング)で保有し、そのまま持ち続けるというもの。
例えば『資金100万円で10万通貨を一度に購入し、あとは放置』といった具合。
バイアンドホールドのメリット
- 購入当初から全力のスワップポイントを享受できる。
- メンテナンスの手間がない
最初にまとめてドカンと買うので、スワップポイントも最初からドカン。
例えば今日10万通貨買えば、明日には1,000円前後のスワップポイントが付与されている。
また、バイアンドホールドは一度買ってしまえばそれでおしまい。
資金を移動したり、ポジションを操作したり後から何か作業をする必要がないという手軽さは大きなメリット。
バイアンドホールドのデメリット
- 良くも悪くも値動きの影響をモロに受ける
上がれば大きな利益が出るが、言い換えると下落局面に弱い。
最初に全力投入してしまうので、下落時の評価損益も大きくなる。
どのくらいまで落ちたらロスカットされるか、しっかりと見極めを。
『バイアンドホールド』FX会社選びのポイント
- スワップポイントが高い
何よりもこれが重要。
取引回数が少ないのでスプレッドなどの重要度は低く、スワップポイント重視でFX会社を選んで問題ない。

上がれば強いが、下落には弱い。
全力投球すると怖いので、運用資金の半分程度に抑えておこう。
値が下がる度に買い増していく『買い下がり』
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GMOクリック証券でトルコリラ円買い下がり運用開始!
4月の国民投票を終え、一大イベントが一服したのでトルコリラを買い増そうかと思いながらも買い時を見失っていた人も多いのではなかろうか。そう、僕のことだ。 そんな僕がこの度、僅かながらトルコリラを買い増し ...
一度にまとめて買うのではなく、資金を何分割かして下落する度に買い増していくという手法。
例えば資金100万円を10分割し、『1円下がる毎に10万円追加、1万通貨買い増していく』といった具合。
5分割(20万円・2万通貨)なんかもアリ。
『買い下がり』のメリット
- 下落局面に強い
これはもう圧倒的に強い。精神衛生上も非常に良い。
下がる度に買い増していくので、取得平均単価を引き下げていくことになる。
安値を多く買うように注文を配置することで、よりメリットを伸ばす方法も。
トルコリラ買い下がり運用、下を厚く買って効率的?ハイリスク?
『買い下がり』のデメリット
- 購入数量が不安定
下落してもロスカットの心配は少ない反面、逆に上昇・横這いとなると買い増すチャンスがない。
1万通貨買って、そのままグングン上昇して保有ポジションが増えず、スワップポイントも少ないまま・・・というパターンに陥るかもしれない。
また、下落すればするだけ買い増していくことにもなる。
資金と相談しながら何円まで買い増すか決めておくことも必要だろう。
(下落しすぎると資金が・・・という点は、他の手法と比べて大きな差異にはならない為デメリットとしては数えない。下がったら痛いのはサヤ取り以外どの手法も同じ。)
FX会社選びのポイント
- スワップポイントが高い
- 1,000通貨取引に対応(※南アフリカランド・メキシコペソは1万通貨単位でもOK)
こちらも基本的にはスワップポイント重視の選択でOK。
ただし、運用資金が限られていると一度に買える通貨数が小さい単位になる。
その場合には1,000通貨単位の取引に対応しているFX会社を選ぶと良いだろう。
具体的には、50万円以下で運用する場合に
- GMOクリック証券
- くりっく365
あたりを避ければOK。
上記2社以外は大概少額取引に対応している。

下落しなかったらどうするか?を考えておくことも大切。
コツコツ堅実に『積立』
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ドルコスト平均法で効率的に!トルコリラ積立のすすめ。
トルコリラに限らず、長期投資をする上では常にジレンマが付き纏うもの。 トルコリラを買いたいけど、買い時に悩む・・・ 買ってすぐ下落したらどうしよう・・・ でも、買うのを待っている間にグングン上昇したら ...
毎月いくら、あるいは毎週いくら、という形で積立額を決め、それに応じた分の通貨を購入していく。
- 毎月1万円・1,000通貨といったように購入数を固定する
- 毎月1万円・レバレッジ3倍といったようにレバレッジを固定する
主に上記二つの方法が考えられる。
前者はFX会社の縛りが少なく、計算する必要もないのがメリット。
後者はドルコスト平均法の恩恵を受けられるメリットがあるが、計算と管理がちょっと手間。
『積立』のメリット
- 購入機会が分散され、上下どちらに動いてもリスクコントロールできる
- まとまった資金を用意する必要がない為、手軽に始められる
『積立』のデメリット
- ゆっくりと数量が増えていく為、初期はスワップポイントが小さい
『積立』FX会社選びのポイント
- 少額取引に対応
1回の購入額が小さくなりがちなので、何よりもこの点が重要。
マネーパートナーズの『nano口座』が100通貨単位の取引に対応していてスワップポイントも高水準なのでおすすめ。

例えば手元に100万円あるなら、その100万円はバイアンドホールドや買い下がりに使う。
あとは、毎月の生活費から捻出できる分を積立にするのがおすすめ。
『100万円あるから2万円×50ヶ月積立しよう』は愚策。
自動売買の魅力『リピート系』
一定間隔毎に買い注文と決済注文を張り巡らせ、レートの上下に応じて自動で利益を獲得する。いわゆるトラリピ系。
『リピート系とは云々』という話はゼンマイ仕掛けの理想郷というブログにまとめているので参考にして頂けると幸い。
『リピート系』のメリット
- スワップポイントを稼ぎつつ、値上がり益も獲得出来る。
欲張りさん向け。
一定の値幅でレンジを形成する場合には効率が良くなる可能性も。
『リピート系』のデメリット
- 運用資金に対し得られるスワップポイントは小さくなる。
- 下落時の必要証拠金が大きくなる
結果として資金効率がどうなるか、といったところ。
正直言ってスワップ運用よりも売買益が中心になりがちなので、
『リピート系』FX会社選びのポイント
- リピート注文機能がある
当たり前なのだが、機能を提供していないことには出来ない。
この辺りは以下の記事を参考にして頂きたい(別ブログ)
通貨下落リスクゼロの『サヤ取り』
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通貨下落リスクなし!スワップポイントサヤ取り(アービトラージ)を徹底解説!
2018年8月の急落から徐々に回復しつつあるトルコリラだが、『やはり下落は心配なので全力で買うのは怖い・・・』なんて方も多いのではないだろうか。 スワップポイントは確かに魅力だが、それ以上に通貨価値が ...
二つの会社で両建て状態にすることで通貨下落による損失を防ぎ、スワップポイントの差額だけを受け取る(ほぼ)ノーリスクの投資法。
- FX会社A:買いポジション
- FX会社B:売りポジション
という状態にして、受け取りスワップ>支払いスワップの関係を維持することで成立する。
詳しい方法は上記詳細記事を参照。
スワップの差がある限りどんな通貨でもできるのだが、投資効率が高いのはトルコリラ。
この方法であれば通貨の下落を気にしなくていいので、とにかく効率だけを求めていけばいい。

『サヤ取り』のメリット
- 通貨が暴落しても損失ゼロ!
前述の通り、サヤ取りにおいては2つの口座間で値動きの損益が相殺される。
通貨下落が最大の懸念であるスワップ運用において、このメリットは非常に魅力的である。
『サヤ取り』のデメリット
- 通貨が上昇しても、値上がり益は受け取れない。
- 期待できる利益は限定的
メリットの裏返しだが、評価損益が相殺されるため、値上がりによる利益を受け取ることはできない。
また、安全な反面、スワップの差額を狙う運用なので得られる利益は限定的。
せいぜい年間10~15%の利益がいいところだろう。
『サヤ取り』FX会社選びのポイント
- 買いスワップ>売りスワップとなる二社
これはサヤ取り独自なのだが、二社の組み合わせで成立するかどうかが決まる。
例えばA社が1,000円とか超高額スワップを出しても、マイナススワップがそれより低いFX会社が存在しなくてはいけない。
スワップポイントを見ながら、『買いスワップが高いFX会社』と『売りスワップが安いFX会社』を見つけることになる。

爆益は望めないが、結果としてサヤ取りが安定して優秀だったりする。
僕自身も今はサヤ取りを主軸として運用している。
まとめ
- シンプル王道の長期保有『バイアンドホールド』
- 下落環境に強い『買い下がり』
- 毎月コツコツ『積立』
- 値上がり益も欲張る『リピート系』
- 相場リスクゼロの『サヤ取り』
それぞれに強みがあり、どれが優れているとは一概には言えない。
特に資金の使い方(拘束され方)に差が出てくるので、1つの手法に縛られず複数組み合わせることで上下に変動した時にも対応できる。
例えば半分は長期保有、残りの半分は買い下がりに備える、とかね。