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ドル建て債復活、トルコリラ一時20円回復!【週刊スワップポイント2018.10.16-19】

先週はトルコが3年ぶり経常黒字・牧師解放という良い流れだったが、今週もその流れを引き継いで上昇ムード。

トルコリラは一時、トルコショック以来の20円台に回復した。

 

今週の『週刊スワップポイント』のトピックは以下の通り。

  • トルコ:今週発表されたトルコ指標
  • トルコ:ドル建て債復活で盛り上がる
  • トルコ:米国からの制裁解除示唆
  • トルコ:イスタンブールで消息を絶ったサウジアラビア人記者の問題
  • 南アフリカ・メキシコ:中国景気後退懸念で下落

ざーっとまとめると・・・

トルコリラは先週の経常黒字で良いムードのまま週明けを迎えた。

対米関係の改善によりドル債市場に復帰、制裁解除が示唆されたことも追い風となりトルコリラ20円台へ。

その後サウジ記者の問題や中国リスク懸念により少々警戒が強まる・・・という感じ。

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今週のトルコ指標

10月15日 16:00 トルコ7月失業率

予想10.7%に対し、今回10.8%(前回10.2%)

 

10月16日 16:00 トルコ8月工業生産(前年比)

予想+1.3%に対し、今回+1.7%(前回+5.6%)

 

10月17日 16:00 トルコ8月小売販売(前月比)

予想+0.4%に対し、今回+0.4%(前回1.3%)

 

10月17日 16:00 トルコ8月小売販売(前月比)

予想+2.4%に対し、今回+1.3%(前回2.8%)

 

いずれも極端に悪い訳ではないのだが・・・正直どれもパッとしない。

敢えてポイントを挙げるならば

  • 失業率は続伸。過去1年間の最高値に並んだので、ここらで止まってほしい。
  • 高インフレ & 通貨安でも小売が微増したのはせめてもの救い。

といったところだろうか。

 

トルコ:ドル建て債復活で盛り上がる

トルコがドル債市場に復帰、3倍超の投資家需要-転換点の可能性も -ブルームバーグ 2018年10月18日

トルコが国際資本市場に復帰し、ドル建て債発行で60億ドル(約6700億円)を超える投資家需要を集めた。今年の新興国市場に動揺をもたらした同国にとって、転換点となった可能性がある。

発行額は20億ドルで年限は5年、利回りは7.5%に決まったと同国財務省が発表。利回りは当初のガイダンスよりも25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ほど低い水準だ。同省とアルバイラク財務相によると3倍を超える応募があったという。

トルコの国際資本市場での起債は6カ月ぶり。ドル調達を急ぎたい同国の銀行にとってベンチマーク債となる可能性がある。需要面では米国の投資家が米国債に見切りを付け、より高いリターンを求めて国外に目を向けている現状がある。

フェデレーテッド・インベスターズの新興国市場ポートフォリオマネジャー、モハメド・エルミ氏(ロンドン在勤)は「われわれはディールができるという強さを市場に示した。つまり市場アクセスは確保されているということだ」と指摘。「トルコのボラティリティ-はいったん落ち着いている。利上げや経済の中期的枠組み、インフレ対策や米国人牧師の釈放が寄与した」と述べた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-17/PGR38D6JTSEE01

ドル建てのトルコ債券が久々に登場。

人気を集め、これによってトルコの金融機関は60億ドルの外貨を獲得したことになる。

昨今の通貨安で資金が流出していたトルコにとって、これは中々大きい。

 

トルコ:米国からの制裁解除示唆

トルコへの経済制裁、解除示唆 牧師解放受け米国務長官 -朝日新聞 2018年10月18日

ポンペオ米国務長官は17日、トルコで長期間拘束されていた米国人牧師アンドルー・ブランソン氏が12日に解放されたことを受けて、ブランソン氏拘束への対抗措置として発動したトルコ関連の経済制裁を解除することを示唆した。

ポンペオ氏はトルコ訪問後に寄ったベルギーのブリュッセルで、「いくつかの制裁はブランソン牧師の件に直結している。取り除くのは論理的だ」と語った。ただし、「大統領と話す必要がある」と述べ、トランプ大統領と協議して最終決定するとした。

https://www.asahi.com/articles/ASLBL1W3MLBLUHBI009.html

ブランソン牧師が釈放されたことで制裁も解除される見込み。

これによって、8月のトルコショックを引き起こした原因である

  • 中銀が金利を上げない
  • 対米関係の悪化

がどちらも解決しつつある。

トルコリラもショック以来の水準まで回復し、ようやくトルコショックはほぼ収束したかなという印象。

 

トルコ:イスタンブールで消息を絶ったサウジアラビア人記者の問題

サウジ記者殺害疑惑、強まる皇太子関与説 米報道 -日本経済新聞 2018年10月19日

サウジアラビア政府を批判してきた著名記者がトルコで殺害された疑惑で、サウジのムハンマド皇太子の関与説が強まっている。トルコや米国メディアは容疑者の一団に皇太子の護衛らが加わっていたことなどを相次いで報じた。トルコやサウジによる捜査結果は近く公表される見通しで、サウジとの協力関係を続けてきた米政府の対応が焦点となる。

トランプ米大統領は18日、「(記者が死亡したのは)確実なようだ」と記者団に述べた。一方、トルコのチャブシオール外相は19日に「誰が責任を負うべきかの情報と証拠を持っている」と表明。そのうえで捜査結果が明確になった段階で公表する考えを示した。

サウジ人記者のジャマル・カショギ氏は2日、トルコの最大都市イスタンブールのサウジ総領事館を訪れ、消息を絶った。トルコや米国のメディアはトルコ当局の情報を基に、カショギ氏が館内に入ってすぐに殴打され、薬物を投与のうえ殺害されたと報じている。

トルコ捜査当局は19日までに事件当日に総領事館などを出た車が立ち寄ったとみられるイスタンブール北郊の森などへと捜査対象を拡大した。切断された遺体が遺棄された可能性があるとみている。地元紙が報じた。

米紙ニューヨーク・タイムズは17日、サウジの実権を握るムハンマド皇太子が事件に関与した可能性が高いとの見方を米情報機関が強めていると報じた。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36702120Z11C18A0EA1000/

トルコ国内で行方不明になっていたので、一時トルコの関与が疑われたがそれは濡れ衣だったようで。

結局サウジ政府の関与っぽい雰囲気でトルコ的には一安心・・・なのだが、今後の外交的には緊張しそうなので一応警戒すべき。

特に米サウジは親密なので、そこで揉めるとトルコも巻き込まれる可能性あり。

 

新興国通貨共通:中国景気後退懸念でリスクオフ

米国株下げ幅拡大、ダウ一時400ドル超安 中国株安を嫌気、VIXが20超え -日本経済新聞新聞 2018年10月19日

18日午後の米株式相場は一段安となり、ダウ工業株30種平均は前日比で400ドル超下げる場面があった。中国の景気減速懸念などから同日の中国株式相場が大幅安となり、世界景気の先行き不透明感が意識された。ダウ平均では中国での売上高が大きい建機のキャタピラーの下げが大きい。

市場心理を計る指標である米株式の変動性指数(VIX)は再び不安心理が高まった状態とされる20を上回って推移している。VIX上昇が投資家心理を冷やし幅広い銘柄に売りが広がった。朝方に米長期金利が3.21%前後まで上昇したことも、金利動向に敏感な主要ハイテク株の売りを誘っている。

昼すぎにCNBCテレビなどがラリー・クドロー国家経済会議(NEC)委員長が中国について「公正な貿易相手ではない」などと批判したと報じたことなども相場の重荷となっている。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL18HTX_Y8A011C1000000/

そして週末には中国の景気後退が懸念されて全面安と。

トルコリラ・南アフリカランド・メキシコペソ全て巻き込まれてやや下落してしまった。

これがなければトルコリラ20円キープして週末迎えられただろうに、悔しい。

 

これらを受けて各通貨の反応

トルコリラ円(TRY/JPY)1時間足

ドル建て債の復活などで20円に回復したトルコリラだったが、中国の景気後退懸念のリスクオフに巻き込まれ下落。

そのまま20円に届くか届かないかという水準を彷徨い、週末クローズを迎えた。

最後にケチが付いたのは残念だが、総じて良い一週間だったと言えるだろう。

 

南アフリカランド円(ZAR/JPY)1時間足

一歩南アフリカランドも順調に上昇していたのだが、同じく中国懸念で下落。

完全に下落のタイミングが一致している。

 

メキシコペソ円(MXN/JPY)1時間足

メキシコペソも同様。

こちらは横這いからの下落で、週明けからやや値を落としてのクローズとなってしまった。

 

来週の注目ポイント

何と言っても、10月25日20:00のトルコ政策金利!

インフレ率が高騰した為利上げが期待されるが、市場の予想は据え置き

 

アルバイラク財務相の言葉を信じるならば『インフレは先月がピーク』とのことなのでギリギリ許容範囲と言えるが・・・

金利据え置き、そして来月発表されるインフレ率が上昇すると最悪の組み合わせとなるので、この二つは欠かさずチェックしておきたい。

 

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