先週はトルコが良い雰囲気で上昇ムードだったが、今週は政策金利を控えて少々緊張ムード。
今週の『週刊スワップポイント』のトピックは・・・
- トルコ:AKPとMHPの同盟崩れる
- トルコ:政策金利据え置き
- トルコ:指標・中央政府債務、消費者信頼感、景況感、設備稼働率
- 南アフリカ:景気後退懸念でランド下落
ざーっとまとめると・・・
トルコリラは先週のドル建て債復活など良い流れを受けて、20円付近をキープしてスタート。
サウジ人記者の問題などはトルコ優位ながらも、政策金利を控えた警戒もありトルコリラの値動きには直接影響なし。
そんな中、エルドアン大統領率いるトルコの与党AKPと、同盟相手の極右政党MHPの同盟が崩れ、トルコリラはやや下落。
その後発表された政策金利はエルドアン大統領の利下げ発言を受けながらも、予想通りの据え置き。
金利自体は据え置かれたものの、中銀が高金利維持姿勢の声明を出したことが好感され、トルコリラはやや回復。
・・・という感じ。
トルコ:与党AKPとMHPの同盟崩れる
トルコリラ19円半ば、利上げ見送りでも下げ限定的か -ロイター 2018年10月25日
与党公正発展党(AKP)と連立を組む民族主義者行動党(MHP)の党首が、19年の地方選でAKPと共闘しない方針を示し、23日にリラは3%超下落。
19円前半と15日以来の安値をつけたが、その後は緩やかに持ち直してきた。「米国人牧師の解放で対米関係が改善するとの期待から、トルコ情勢に対する市場センチメントが改善している」(外銀)という。
(抜粋)
大統領選では共闘した、エルドアン率いるAKPと極右政党MHPの連立が崩壊。
6月の大統領選ではエルドアンが50%強の票を獲得して勝利したが、内訳はAKPの票が40%強、MHPの票が10%だったのでそのまま考えればAKPは単独過半数の獲得は困難になると思われる。
2019年は地方選なので直接的な影響は少ないが、この状況が続けばエルドアン政権に陰りが見える・・・かもしれない。
なお、エルドアン大統領の任期(新大統領制第一期)は2023年まで。
トルコ:政策金利据え置き
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トルコ、政策金利を24.0%で据え置き。トルコリラ20円目指せるか【2018年10月トルコ政策金利】
10月25日、トルコの政策金利が発表された。 今回の政策金利についてのポイントは以下の通り 10月に入ってからトルコリラは堅調で一時20円を突破 一方、先月のインフレ率は24%超という高水準 このまま ...
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10月25日 20:00 トルコ10月政策金利(1週間物レポ金利)
予想24.00%に対し、今回24.00%。(前回24.00%)
10月25日 20:00 トルコ10月翌日物貸出金利
予想25.50%に対し、今回25.50%。(前回25.50%)
10月25日 20:00 トルコ10月翌日物借入金利
予想22.50%に対し、今回22.50%。(前回22.50%)
10月25日に発表されたトルコの政策金利は、予想通りの据え置き。
直前にまたエルドアン大統領の利下げ発言などがあったが、トルコ中銀が『インフレが大幅に改善するまで金利を維持』という旨の声明を出したことが好感され、トルコリラはやや上昇。
トルコ:指標・中央政府債務、消費者信頼感、景況感、設備稼働率
10月22日 23:30 トルコ9月中央政府債務
予想1.3兆トルコリラに対し、今回1.1兆トルコリラ。(前回1.2兆トルコリラ)
10月23日 16:00 トルコ10月消費者信頼感
予想55.1に対し、今回57.3。(前回59.3)
10月25日 20:30 トルコ10月景況感
予想87.5に対し、今回87.6。(前回89.6)
10月25日 20:30 トルコ10月設備稼働率
予想76.9%に対し、今回75.4%。(前回76.2%)
軒並み微妙・・・
個人的に気になるのは、1兆トルコリラを超えてきた中央政府債務と3年ぶりの低水準となった設備稼働率か。
どれも瞬間的な反応は起きていないので、すぐに警戒すべき程ではないが・・・この水準が継続したり、更に悪化するようならば注意が必要である。
南アフリカ:景気後退懸念でランド下落
南ア、18年成長率を0.7%に下方修正 資源輸出が低迷 -日本経済新聞 10月24日
南アフリカ財務省は24日、2018年の実質経済成長率見通しを0.7%と、2月の予算時点の1.5%から引き下げた。世界景気の減速懸念から資源輸出に懸念が出ており、財政赤字の縮小にも時間がかかる見通しだ。通貨ランドの対ドル相場は一時1ドル=14.4ランド台と、発表直前に比べて約2%下げた。
ムボウェニ財務相は同日、今後3年間の中期的な予算編成方針を発表する際に「世界経済の成長を巡るリスクはより明らかになっている」と述べた。税収の低迷が見込まれるとして、18年度の財政赤字の国内総生産(GDP)比もこれまでの3.6%から4%に下方修正した。
足元の南ア経済は干ばつの影響で農業が振るわず、輸出をけん引する鉱業も中国の景気減速が影を落とす。代表的な輸出品のプラチナは欧州の排ガス不正問題が響き、触媒向けの需要が先細りする懸念がある。
失業率は20%台後半と高止まりし、雇用創出が課題だ。汚職が横行したズマ前政権下で海外投資家から信頼を失った反省から、ムボウェニ氏は「信頼を回復し、民間部門への投資を呼び込みたい」として、規制緩和や民間企業の育成に取り組む方針を強調した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36889710U8A021C1FF1000/
こちらは南アフリカランドの話。
2018年のGDPが予想よりも伸びない・・・つまり、南アフリカ経済の成長鈍化が見込まれた。
更に、これについて格付け会社のムーディーズ・フィッチも懸念していて、今後の格付けに影響を与える恐れも。
これらを受けて各通貨の反応
トルコリラ円(TRY/JPY)1時間足
トルコリラは先週の流れで19円後半でスタート。
一時20円にタッチした後、AKPとMHPの連立崩壊の報道で一時19円台前半まで下落。
その後じわじわと回復しながら、政策金利を通過して週末になんとか20円でクローズ、といった感じ。
FX会社によっては微妙に20円を割っている場合も。
政策金利は予定されていたイベント、かつ予想通りの結果だったので意外に動きは小幅だった。
最大の動きは連立崩壊の件で、やはり良くも悪くもサプライズは怖い。
南アフリカランド円(ZAR/JPY)1時間足
一方、南アフリカランドは8円台回復を狙えそうなところから景気後退の報道が大ダメージ。
一気に7.6円台まで叩き落されてしまった。
下落率で言ったら、豪ドル円が一気に3円落ちるレベルなので中々のもの。
今後も経済見通しなどに注目しておきたい。
メキシコペソ円(MXN/JPY)1時間足
一方、メキシコペソも移民問題やそれに伴う対米関係の緊張などでじわ下がりムード。
今週は高金利通貨全般であまり良くないムードに包まれた週になってしまった。
来週のポイント
特に超重要指標などがある訳ではないが、指標が集中する月末というところで警戒は必要。
トルコは31日16:00に指標ラッシュ・南アフリカは30日18:30に第3四半期失業率が発表されるので、この辺りは注目。
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