先週はクリスマス休暇に向けて全体的にリスクオフムード。
トルコリラもその例に漏れず20円台に下落してしまったが、さて今週の『週刊スワップポイント』のトピックスは・・・
- トルコ:今週も指標は全体的にイマイチ
- トルコ:最低賃金の上昇で景気後退・失業率上昇懸念
- シリア:クルド勢力YGPとアサド政権が手を結んで再び問題再燃の予感
ざーっとまとめると
トルコの指標は今週もイマイチ。
最低賃金引上げやクルド・アサド政権の結託など来月以降に警戒しておくべき火種は発生。
とはいえ、クリスマス休暇時期ということもあり動きは限定的。
・・・といった感じ
トルコ:今週も指標は全体的にイマイチ
12月26日 20:30 トルコ12月景況感
予想95.5に対し、今回91.5。(前回92.8)
12月26日 20:30 トルコ12月設備稼働率
予想76.5%に対し、今回74.1%。(前回74.1%)
12月26日 16:00 トルコ12月経済信託指数
予想78.0に対し、今回75.2。(前回73.7)
- 景況感:回復予想に反して下落。5ヶ月連続100割れ。
- 設備稼働率:何とか横這いだが予想には届かず。4ヶ月連続の下落。
- 経済信託指数:今週の指標の中で唯一改善。しかし9ヶ月連続100割れと決して良い状態ではない。
・・・とまあ、正直言って良い状態ではない。
通貨安が落ち着いてきたので、そろそろこの辺りも回復に向かって欲しいところだが。
トルコ:最低賃金の引き上げで景気後退・失業率上昇懸念
トルコ最低賃金26%引き上げ、インフレを反映 -日本経済新聞 12月26日
トルコ政府は25日、2019年1月に最低賃金を26%引き上げ、月額2020リラ(約4万2000円)に改めると発表した。
トルコ通貨リラ相場は18年夏、同国と米国との政治的な緊張が高まったことで急落。
この影響で輸入品の価格が上昇し、インフレ率は一時25%を超えた。物価高騰を最低賃金の引き上げに反映させた。
だが、景気が減速するなかでの最低賃金の大幅引き上げは、企業の雇用意欲を減退させる可能性もある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39378960W8A221C1EAF000/
インフレを受け、トルコが最低賃金の引き上げを発表。
一見すると景気刺激になるのだが、これが小売価格に反映されたり雇用に響いたりすると結局更なるインフレ・失業率の悪化を招く懸念もある。
トルコ企業は社債が膨らむなど体力を削られているので、果たしてこれに耐えられるか・・・
シリア:クルド勢力YGPとアサド政権が手を結んで再び問題再燃の予感
アサド政権軍がクルド要衝に=対トルコで結束-シリア -AFP BB 2018年12月28日
シリアのアサド政権軍は28日、同国のクルド人勢力の要衝である北部マンビジュに部隊を投入した。ロイター通信が伝えた。トルコがシリアのクルド人支配地域での軍事作戦の準備を進める中、クルド人勢力はこれまで緊張関係にあった政権側と手を組んで対抗する姿勢を鮮明にした。
政権軍は声明で、地域の人々に対する「完全な防衛」を約束。クルド人民兵組織の人民防衛部隊(YPG)は「トルコの脅威に直面する中、シリア政府に、部隊を派遣しマンビジュを保護する」ことを求めたと明らかにした。
YPGは従来、米軍の支援を受け、過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いで中心的な役割を果たしてきた。しかし、トランプ米政権は19日、「ISを倒した」と主張してシリアからの軍部隊撤収を発表、YPGは後ろ盾を失った。 一方、YPGをテロ組織とみなすトルコは米国の発表を歓迎。撤収を進める米側と調整の上、数カ月以内にシリア北部で対クルド軍事作戦を始める方針を示している。
アメリカ軍の撤退・トルコの攻撃などでこのまま収束に向かうかと思われたシリア問題。
今まで敵対していたYGPなどのクルド人組織とアサド政権が手を結んで対トルコの姿勢を固めた。
昨日の敵は今日の友とも言うが・・・それにしても節操なさすぎないか・・・
アサド政権軍の後ろ盾にはロシアがいるので、今度はトルコ・ロシアの関係がどうなるのかも注目が必要である。
これらを受けて各通貨の反応
トルコリラ円(TRY/JPY)1時間足
トルコリラ円の動きはほぼドル円の動きに沿っていて、12月25日の夜にあわやドル110円割れというタイミングで一時下落している。
それ以外は薄商いということもあり、ほぼ無風。
21円回復とはならなかったが、大きく崩れなかっただけ御の字である。
南アフリカランド円(ZAR/JPY)1時間足
南アフリカランドもまた大きな動きなし。
機関投資家は既に休暇に入っているので、当然といえば当然。
メキシコペソ円(MXN/JPY)1時間足
三通貨の中ではメキシコペソが一番動いたか。
とはいえアメリカに地理的にも経済的にも近いのでドル円の動きをモロに受けたという側面が大きい。
来週のポイント
トルコは大晦日まで指標があるが、大きく動くことはないだろう。
どちらかというと、薄商いの中トランプ大統領やエルドアン大統領が変な事言わないかが一番の心配事。
次いで、シリア問題の行方もチェックしておきたい。
12月31日はトレードできるFX会社が多いが、取引時間が普段と違っていることも多いのでご注意を。
正直、来週はトレードしないのが吉だろう。
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