先週のアップルショックは一段落したが、まだまだ円高ムードなどは漂っている。
そんな中、今週の『週刊スワップポイント』のトピックスは・・・
- トルコ:シリア・クルドを巡り、対米関係に再び陰り
- 米:FOMC議事録で利上げ観測後退
- トルコ指標:4ヶ月連続で経常収支黒字
- トルコ:政策金利を巡る思惑
ざーっとまとめると・・・
- アメリカが『シリアから撤退するけどクルド人攻撃しないように』という条件を出し、トルコ猛反発。
- 改善しつつあった対米関係が再び崩れる懸念から、トルコリラは全体的に売り基調。
- 更にFOMC議事録が発表され、アメリカの利上げペース減速が再認識されて再びドル売り。
- トルコの指標はまあ良いのだが、来週の政策金利を控えて警戒感のある値動き
・・・といった感じ。
トルコ:シリア・クルドを巡り、対米関係に再び陰り
トルコ大統領、米補佐官を批判 シリアのクルド人勢力巡る発言で -ロイター 2019年1月9日
トルコのエルドアン大統領は8日、シリアのクルド人勢力を巡るボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の発言を非難し、予定されていた同氏との会談を拒否した。
ボルトン氏は週末、シリアからの米軍撤収を巡り、米軍が支援してきたシリアのクルド人勢力を攻撃しないとトルコが確約することが条件との考えを表明した。
エルドアン大統領はこれに対し、クルド人の民兵組織である人民防衛部隊(YPG)が「テロリストであるなら、必要な措置を講じる」とし、過激派組織「イスラム国」(IS)と同等に対処していくと言明した。
その上で、米軍のシリア撤退の条件設定で「ボルトン氏は重大な誤りを犯した。このような考え方をする人間自体が誤りだ」と批判し、「妥協点はない」と述べた。シリアから米軍を撤収するトランプ大統領の決定は理解しているとしつつも、「米政権内の異なる層から異なる見解が台頭している」と指摘した。
https://jp.reuters.com/article/mideast-crisis-syria-turkey-usa-idJPKCN1P21RP
何が起こっているかと言うと、
- アメリカは『シリアから撤退はするけど、クルド人勢力は攻撃するな』というスタンス
- トルコは、アメリカがいないのを機にクルド人勢力を掃討したい
ということで話が合わず、揉めているのが現在の状況。
恐らくは支援されていたクルド人勢力側から『撤退するとウチがトルコにやられる。せめて釘指して。』みたいな要請があったのでは・・・と邪推している。
トルコ・・・(というかエルドアン大統領)にとっては、目の敵にしているクルド人を攻撃する絶好の機会。
しかし相手がアメリカだと流石に分が悪いので、最終的には折れるのではないだろうか。
せっかく対米関係がいい感じだったのに水を差すような出来事で、非常に良くない。
米:FOMC議事録で利上げ観測後退
ドル下落、ハト派的なFOMC議事要旨などで=NY市場 -ロイター 2019年1月10日
終盤のニューヨーク外為市場ではドルが下落。昨年10月以来の安値を付けた。米中通商協議に対する楽観的な見方を背景に安全資産への投資が後退しているほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨がハト派的な内容だったことが重しとなった。
米連邦準備理事会(FRB)が9日公表した昨年12月18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、多数のメンバーが将来の利上げに忍耐を持つことが可能と表明していたことが判明した。
FXストリート・ドット・コム(ニューヨーク)のシニアアナリスト、ジョセフ・トレヴィザニ氏は「FRBが利上げ見通しを再び活発化させるのはおそらく年半ばになるだろう」との見方を示した。
簡単に言うと、『利上げ観測が後退したことでドル安』ということ。
一応、2019年は2回の利上げが予定されているのだが・・・年半ばになった頃には他のネガティブ要因が出ていて結局据え置き、なんてのもありがちなパターン。
今年は円高警戒も必要かもしれない。
トルコ指標:4ヶ月連続で経常収支黒字
1月8日 23:30 トルコ12月財務省現金残高
予想情報なし、今回-237.0億トルコリラ。(前回43.5億トルコリラ)
1月11日 16:00 トルコ11月経常収支
予想+9.65億ドルに対し、今回+9.86億ドル。(前回+27.5億ドル)
財務省の現金残高はあまり重要度も高くないので置いておくとして・・・
経常収支が僅かながら予想を上回り、4ヶ月連続の黒字となったのは嬉しい。
十年以上に渡って慢性的な経常赤字が続いていたトルコにとっては快挙である。
トルコ:政策金利を巡る思惑
ここのところインフレが改善傾向にあることもあり、24%とあまりに高くなった政策金利を引き下げるのではという観測が高まっている。
これに対して市場はネガティブな反応で、1月16日の政策金利発表を前にややトルコリラ売りの圧力が強まっている。
しかし週末にロイターが据え置き観測を出したことで若干緩和。
スワップ派にとっては『利下げ=スワップ減少』と思いがちだが、あまりに高い金利は経済を疲弊させ、最終的にマイナスに働く可能性が高い。
インフレと共に、10%くらいまで下落した方が好ましい、と個人的には思っている。
これらを受けて各通貨の反応
トルコリラ円(TRY/JPY)1時間足
対米関係の不安や利下げ観測などからトルコリラは全体的に下落基調。
週末に政策金利据え置き観測が出るも勢いは弱く、結局20円を割ったままクローズとなってしまった。
南アフリカランド円(ZAR/JPY)1時間足
一方、南アフリカランドは驚くほど動きが少なく終始7.8円付近で推移。
先週末の中国金融緩和政策が作用し、そのままキープした週となった。
メキシコペソ円(MXN/JPY)1時間足
メキシコは特にイベントらしいイベントもなく・・・
じわ~っと上昇して終わり、という感じ。
来週のポイント
- 1月16日 20:00 トルコ政策金利発表!
とりあえずこれに尽きるか。
長期的な観測はさておき、据え置きになればまた20円台回復はするだろう。
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